阪神ドラフト1位ルーキーの佐藤輝明内野手(22)が、1打席目は三振、2打席目は一塁ゴロ、3打席目は三振、4打席目は二飛に倒れた。自身が更新中のNPB野手による連続打席無安打のワースト記録が「59」になった。

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阪神にとっては、マルテさま、さまの3連勝だった。ヤクルトについても言えることだが、優勝するためには外国人パワーは不可欠だ。3戦連続のスタンドインは、中日バッテリーの甘さもあったが、早いカウントから甘い球を逃さずとらえる、今シーズンのマルテらしい当たりだった。

注目される佐藤輝の打撃は、完全にフォームを崩している。なにもホームランが影を潜めているから指摘するわけではないし、すでに打席で構えているときから、何かふわふわしているようにみえる。

これまでも「構え」「つかまえ方」など説いてきたが、やはり正しいスイングが出来ていない。この日の4打席も外の球に目がついておらず、ボールを引きつけて打つことができない状況で、「つかまえて、とらえる」という超基本を見失っているようだ。

マルテの打撃について今年は外角の見極めができて、インコースにきた球を強く振ることができるようになったと評する声をよく耳にする。それはなにも特別なことではない。日本の野球に慣れたマルテ自身がボールをつかまえるための基本を身につけた結果だ。

佐藤輝がどのような練習をしているか分からないが、構えから、うまく体重移動し、下半身の粘りでボールをつかまえる基本に立ち返って、正しいスイングをつかませてあげてほしい。そして萎縮させず、結果に導いてあげたい。走攻守に可能性を秘めた選手だけに、いかに育てるかは球団の大きな課題といえる。(日刊スポーツ評論家)

阪神対中日 8回裏阪神2死、二飛に倒れる佐藤輝(撮影・上田博志)
阪神対中日 8回裏阪神2死、二飛に倒れる佐藤輝(撮影・上田博志)