交流戦に突入する直前の吉田氏は、最下位だった阪神のノルマを「13勝5敗」としていた。パ・リーグ上位の楽天、ソフトバンク以外の4球団に勝ち越しての12勝6敗は、上々の交流戦だった。

吉田 完勝でしたな。あのときも言いましたが、特にセ・リーグの中で阪神が実力差で劣っているとは思っていなかった。ずっと開幕戦の大逆転負けを引きずっていたようでした。交流戦のポイントは、日本ハム戦(3日・甲子園)で6点差をひっくり返した一戦ですわ。あそこで大山が3本のホームランを打った。何かをつかんだかのような打撃だったし、いわゆる投打がかみ合ってきた潮目でした。

その投手力では、先発ガンケルがオリックス打線を1失点に封じ、自身、交流戦3戦2勝とした。攻撃は「対宮城」に先制、中押しと効果的に加点した。

吉田 前日11日のオリックス戦の1勝が大きい。その流れで左の宮城に右打者を並べるわけだが、3回はロハス(両打ち)が死球を受け、1死から山本が四球で、右打者でチャンスをつくったのだから功を奏したといえるでしょう。そして近本、佐藤輝の連続タイムリーですから、もはや宮城は怖くなかった。また9回の佐藤輝のホームランは見事な当たりで、これから期待が持てますわ。

断トツの最下位から、たちまち4位浮上。17日から再開するリーグ戦に弾みをつけたかっこうだ。

吉田 セ・リーグはヤクルト以外は、どこもチームに骨格がないし、決め手に欠くだけにチャンス有りですわ。阪神は優勝争いに絡んでくると思いますよ。ポイントはこれから日本に来る新外国人の起用法と、ファームで投げている秋山でしょう。はい。楽しみです。矢野監督が夢を残してくれました。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

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オリックス対阪神 5回表阪神2死満塁、右前に2点適時打を放つ大山(撮影・和賀正仁)
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オリックス対阪神 9回表阪神1死一、二塁、佐藤輝は右越え3点本塁打を放つ(撮影・加藤孝規)
オリックス対阪神 9回表阪神1死一、二塁、佐藤輝は右越え3点本塁打を放つ(撮影・加藤孝規)