阪神は巨人に続いて、中日に3カード連続で勝ち越した。ここまでの6試合はウィルカーソン以外の先発が6回をクリア。先発が踏ん張ってリリーフにかかる負担をできるだけとどめてきた。

桧山 阪神にとって、ちょっと元気のないチームとの対戦が続いたから巡り合わせも良かった。中日打線が低調だったのか、ガンケルの調子が良かったかは微妙だが、8回の満塁のピンチを抑えたのが大きかった。立ち上がりの1回表からミスが絡んでいやな点の入り方だっただけに、その裏すぐにひっくり返せたことが勝ちにつながったといえる。

その1回は佐藤輝が逆転の2点打を放つと、久々の3安打猛打賞をマーク。それでも7月はノーアーチが続いている。

桧山 佐藤輝はずっと打ち取られ方が良くなかっただけにホッとしたことだろう。ただ初回にうまくカーブをとらえたように、変化球は打てるが、依然としてインサイドのストレートには苦しんでいる。3回の右前打もストレートだったが詰まっていた。どのチームもインサイドに弱点があるのはわかっているし、いかに“そこ”を克服していくかが課題になっている。

この中日との3連戦はすべてロースコアの戦いだった。6番ロハスが1回1死三塁に一ゴロ、3回も得点機に空振り三振。6回は止めたバットに当たったボールが遊ゴロで、ずっと物足りなさは変わらない。

桧山 ロハスに1本出ていれば、もっと試合運びは楽になっていた。オールスターまで6戦は得点力を上げている広島、勢いのあるDeNAが相手で、阪神のチーム力が試される。なんとしても勝ち越したいところだ。

【取材・構成=寺尾博和編集委員】

阪神対中日 1回裏阪神無死満塁、佐藤輝は右前に逆転2点適時打を放つ(撮影・上田博志)
阪神対中日 1回裏阪神無死満塁、佐藤輝は右前に逆転2点適時打を放つ(撮影・上田博志)