阪神が交流戦でも好スタートを切った。“潮目”が変わりやすいシリーズで、初戦をモノにすることができた。

梨田 監督はリーグの違う交流戦を「開幕」のような心構えで臨むものだ。首位をいく阪神にとって、パ・リーグの下位チームと敵地で戦うのはやりずらいという心理が働いてもおかしくない。だからこの一戦に勝ったのは大きい。長打力を欠く苦しい西武だが、村上の安心できる投球が光った。

1回に2点の援護をもらった村上は、8回を4安打1失点で投げきった。無四球だった。

梨田 ブレークした当初に比べると、球質は落ちてきたが、何より四球が少ないのは魅力だ。8回2死、愛斗に10球粘られた末に左飛に打ち取った場面が限界だった。あそこで四球を出していたら、阪神ベンチはどうしていただろうか? と思いながら見ていた。ノイジーが3点目をたたき出した一打が効いた。

5回2死一、二塁。西武の変則右腕与座に対し、遊ゴロ、遊ゴロと続いた第3打席目のノイジーが、3-1からのカーブを左前適時打。打席別で最も多いのが「第3打席」の安打だ(シーズン50安打の内訳=第1打席=9、第2打席=11、第3打席=16、第4打席=8、第5打席=5、第6打席1)。前打席の内容を次に生かしているといえる。

梨田 ノイジーにとって与座はあまり対戦機会の少ないタイプのはずだ。第3打席で本来はストレートを狙いにいくところを、うまく変化球を読んで打った。日本の野球に慣れてきたのは、配球、タイミングなど勉強しているからだと思う。9回の湯浅は本調子でないが、岩崎とうまく組み合わせながら投入するのだろう。阪神が交流戦でも乗っていくかどうかは、西勇が先発する第2戦にかかっている。【取材・構成=寺尾博和編集委員】