売り出し中の阪神野口恭佑外野手(23)が村上頌樹投手(25)から柵越え打を放った。13日に右腕が今季初の実戦形式となる打撃投手を務め、野口が右打席に立った。カーブをとらえ、本塁打。日刊スポーツ評論家の桧山進次郎氏(54)が野口の打撃を解説した。
◇ ◇ ◇
このキャンプ、注目されている野口ですが、やはり、いいですね。正直、最近まであまり知らなかった。そこに周囲から「いい、いい」と聞くようになり、そうなのかなと思っていましたが本当にいいですね。
この日は昨季ブレークした村上を相手にした打撃練習。実戦ではないので、もちろん捕手サイドから球種を教えてもらっていたと思いますが、非凡なセンスは見せていました。
まずタイミングがゆったりしている。右足に体重を乗せ、しっかりとタメを取ることができます。そして軸足(右足)の使い方がなんともいえず、いいんですね。右のかかとが上がるのが遅い。これが早いと体の動きとして右肩が突っ込んでしまう。
それがないので体重移動がスムーズかつしっかりとできるのでパワーが伝わります。投手に対して“受け身”の打者にとってタイミングは永遠の課題とも言えますが、現状、そこがうまくいっていると思います。野球に対する考え方を聞いたことはありませんが、見る限り、十分、1軍レベルではないでしょうか。
今後、実戦で一線級の投手を相手にしたときに同じように打てるかどうかということが課題になりますが、おそらく岡田監督はオープン戦でも使っていくと思います。そこで経験を積み、場慣れしていけば楽しみな存在になると思います。
昨季ルーキーながら活躍した森下に加え、このキャンプでは井上も評判がいい。来日2年目のノイジー、ミエセスもいます。そこに若い野口が加われば、近年、阪神の課題だった長打のある右打者が一気に増えていく感じになります。左の前川も加え、外野の競争が激化すれば、誰を起用するのか岡田監督にとって、うれしい悩みになるかもしれません。