開幕から4カードを終えた阪神は巨人、DeNAに負け越し、ヤクルトには勝ち越したが、甲子園開幕カードとなった広島3連戦は1勝2敗で乗り切れなかった。

中西 このカードを戦うまでの広島は、阪神に対して苦手意識を持っていたはずだ。特に昨シーズンの甲子園での広島戦は、阪神の9勝2敗1分けと圧倒的な強さを見せられていたからだ。それが今シーズン初の甲子園で2つ勝てたことで、広島は苦手意識を消すことができただろう。「昨シーズンとは違うぞ」という雰囲気にさせてしまったのが、今後を考えると怖い。

阪神西勇、広島大瀬良両先発の投手戦だった。勝負を分けたのは9回表2死二塁だった。ゲラが6番田村に中越え適時三塁打を許して決勝点が入った。

中西 西勇は4回無死二塁で堂林に対して、1ボール2ストライクからふところを突くシュートで空振り三振を取った場面が物語るように、両サイドに制球のついたボールを投げ分けた。大瀬良の方はどちらかというと球威で抑えた。9回にゲラが打たれたのは1ボール1ストライクからの甘い球ではあったが、田村にちゃんとジャストミートされたことで、前進守備だった近本の頭上を越えた。

広島の好守にも阻まれたが、阪神は結局、今シーズン3度目の完封負けだ。

中西 全体的に低調な打線が心配だが、特にチャンスで打てないノイジーが目についた。岡田監督もなんとかしなければという気持ちだから、クリーンアップをいろいろ動かしているのだろうが、なかなかはまらない。昨シーズンのような、つないで、つないで、そこに四球を絡めてといった攻撃ができない。ここまでの4カードを見る限り、ちょっぴり厳しいペナントレースになりそうな気配がしてきた。

【取材・構成=寺尾博和】