中日の沖縄・北谷のキャンプで松山の投球練習を見て、なぜWBCのメンバーに選ばれなかったのか、何が足りなかったのかを考えた。当初は本人も代表入りを想定して早めに調整を進めていたが、結果は選考漏れ。そのため、いったん出力を落とし、ペースを再調整せざるを得なかった。気の毒な状況であることは承知の上で、この日のブルペン投球から感じたことを書きたい。

7、8割の力で投げていたが、188センチの長身から投げ降ろすボールには球威があり迫力があった。打者目線では、投手との距離が短く感じ、威圧感がある。松山の特徴として、アーム式の投げ方でリリースポイントが高く、ボールには角度がある。日本の打者ならば、角度がすごく武器になる。しかし、大柄な投手に慣れているメジャーリーガーが主力の米国、中南米のチームには、苦にならないのではないか。

また速球の球威が持ち味のため、制球が悪いということではないが、高いレベルで考えると、ストライクゾーン内での細かなコントロール精度が課題だ。少し体の開きが早く、直球やフォークがシュート回転する。その傾向をポジティブにとらえ、右打者の内角、左打者の外角を主体に配球するなど、工夫すれば、さらに伸びる。

課題は投げ込んで、解消していくしかない。期待する投手で、メジャー相手にどこまで通用するのか見たかったが、松山は「気持ちは切り替えています。次は代表に選ばれるよう、成績を残したい。配球を教えてください」と話した。自己分析し、課題に取り組んでいけば、日本の主力になれる。

今回、西武平良、阪神石井が故障で離脱し、楽天藤平、西武隅田が予備登録から緊急招集された。正直、松山が予備登録からも外れたのは意外だったが、日本ハム伊藤や北山、中日高橋宏らは器用で、セットアッパーへも回せる計算もあるのだろう。松山はメンバー漏れの悔しさを成長の糧にしてほしい。(日刊スポーツ評論家)