開幕から勢いに乗るヤクルトに対し、阪神は逆転負けを喫したが、触れたいのは6回の佐藤の守備だ。2死一、二塁の場面で、打球が三遊間を抜け、同点打になった。走者が二塁にいる状況で、アウトにできなくても、内野手として、体を張って止めてほしかった。外野に抜けなければ、点は入らないのだから。低めの打球に、グラブが上から入り、遅れてしまった。
佐藤は前夜にホームランを打ち、この試合でも犠飛や終盤8回にしっかりと四球を選んだ。4番の役割を果たした。野球というのは、紙一重の勝負だ。流れを変える場面というのが、1試合に2度3度ある。打者佐藤の成長を感じさせている。それだけに、あの守備はミスとは言わないが、もったいなかった。
先発ルーカスは、5回70球で降板した。球数的にはもう1、2イニングいけたと思うが、藤川監督の判断というのもよく分かる。初回の失点は不運もあったが、5回をのぞき、先頭打者にボール先行の投球だった。また真っすぐに力はあるものの、インコースに投げきれないのが目立った。力が入った時に、捕手坂本の構えと逆の、外角高めに抜ける傾向があった。特に右バッターへのクロスファイアを決めに行った時にシュート回転してしまう。そこが課題として浮き彫りになった。
もちろん、球に力はあるし、スイーパーやチェンジアップといった空振りを取れるボールもある。立ち上がりが不安定だった前回よりも落ち着いてはいた。前述した不安要素と、次につなげるという意味でも、勝ち投手の権利を得た5回で、ベンチは継投という判断を下した。藤川監督は昨シーズンも、特に経験の浅い若手投手を早めに降板させる傾向がみられた。結果として継投が裏目に出たが、あくまで結果論。リリーフ陣への信頼もあるだろう。これは指揮官の考え方であり、理解できるものだった。(日刊スポーツ評論家)




