日本ハムの新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」(北広島市)は、23年春の開業を目指し、5月1日に本格工事が始まる。今月13日に起工式に参加し、くわ入れを行うなどした栗山英樹監督(59)も感動。ボールパーク「Fビレッジ」が、北海道だけでなく、スポーツ界の新時代を切り開くシンボルになることを期待した。

13日、新球場の起工式を終え建設現場を背に取材に応じる栗山監督
13日、新球場の起工式を終え建設現場を背に取材に応じる栗山監督

■13日に起工式、5月1日着工

工事用のヘルメットをかぶった栗山監督は「エイ、エイ、エイ」という掛け声に合わせて3度、盛り土にくわを入れた。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、参加者はマスクを着用。席も一定の間隔を空けて行われた。約45分間の儀式は、滞りなく終わった。

栗山監督 みんなが北海道を誇れる、北海道の人間として自信が持てる、そういうものになるはず。選手、ファンの皆さん、北広島の市民の皆さん、北海道中が、そう思ってくれることを信じている。そうなれば、何かが確実に前に進む、その起点になるはずなので、このように参加させてもらったことを、ただただ感謝しています。

野球場にとどまらない、周辺施設を含めても壮大な夢が具現化されるボールパーク「Fビレッジ」。その中心「エスコンフィールドHOKKAIDO」はいよいよ5月1日に着工する。

13日、新球場の起工式で整列する関係者。後方左から稲葉SCO、栗山監督(代表撮影)
13日、新球場の起工式で整列する関係者。後方左から稲葉SCO、栗山監督(代表撮影)

栗山監督 北海道に、世界に冠たる球場が出来る。その時に北海道の皆さんが、どう感動してくれるのか。想像するのが一番うれしい。一野球を好きな人間として、そういう球場が出来るのが夢。きっと、そこにふさわしい選手たち、北海道でプレーしてきた選手たちが指導者になって、チームを引っ張っていってくれる。

自然と調和したボールパークは北海道ならでは。そんな「Fビレッジ」の完成は、大きな意味を持つと、指揮官は信じている。

栗山監督 北海道だけじゃなくて、必ずこれで野球界が変わるから。野球界というか、スポーツ界が変わる。やっぱり「器」というものが、いかにモノを変えるかという証明に必ずなるはず。そういう意味では、勝負はここから。人間は、こういういろんなことがあった時に、人がどう生活していくかが変わっていく気がする。やっぱり人間は自然の一部でしかないということも感じる。いろんなことを思い出させてくれる球場になるんだろうな。

23年もチームの指揮を執っている姿は、イメージしているのだろうか。

栗山監督 俺がどうのこうのというのは…。2023年はあそこ(ボールパーク内)で動物と遊んでいたいな。開幕の日に。「そうか、キタキツネ君、元気か」みたいな。それは夢だな。【木下大輔】

22日、建設が進む日本ハムの新球場。球場西側から撮影(撮影・黒川智章)
22日、建設が進む日本ハムの新球場。球場西側から撮影(撮影・黒川智章)

<川村球団社長兼オーナー代行>

今、世間の状況が厳しい中で、ひさかたぶりに夢のある話、先を見据える未来志向になれました。球場は従来にない野球観戦環境の提供だということを言い続けてきております。単に野球を見るだけではなくてさまざまな楽しみ方、野球の観戦のスタイルを提供したいと思っています。さらには、もっと新しいエンターテインメントの創出、追求をしていきたいと思っています。球場周辺もさまざまなパートナーの方ととともに、魅力ある街づくりを一緒になってやっていきたいです。

<北広島市の上野市長>

このボールパークについては市民はもとより、道民の皆さんの夢と希望をかなえるもの。北広島市、北海道の発展に大きく貢献をいただけるものだと思っています。3年後のスタジアム完成を目指して全力を尽くして参りますけれども、その他の施設もありますので、そういう部分にも全力で取り組んで参りたいと思っています。


■日本ハム直筆ポスター掲出

日本ハムは27日、札幌市内の札幌駅前通地下歩行空間や地下鉄の駅構内で、栗山英樹監督(59)と支配下全選手による直筆メッセージ入りのポスターの掲出を開始した。期間は5月24日まで。掲出されている駅は麻生、北24条、さっぽろ、すすきの、真駒内、琴似、円山公園、大通、大谷地、新さっぽろ、学園前、福住。

栗山監督と支配下全選手からのメッセージポスター(球団提供)
栗山監督と支配下全選手からのメッセージポスター(球団提供)

■「純さんぽ」おかしのたにぽん北広島店

ボールパーク建設予定地周辺を日本ハム担当の山崎記者が歩く「純さんぽ」。今月は誰もが幼少期を思い出す、懐かしい匂いのするお店です。

北広島市内にあるおかしのたにぽん(撮影・山崎純一)
北広島市内にあるおかしのたにぽん(撮影・山崎純一)
北広島市内にあるおかしのたにぽんで人気を集めているチョコバット(中央)(撮影・山崎純一)
北広島市内にあるおかしのたにぽんで人気を集めているチョコバット(中央)(撮影・山崎純一)

すっかりと春めいてきた北広島。すがすがしい気持ちで市役所周辺を歩いていると、かわいらしい看板が印象的な「おかしのたにぽん」を発見した。約400種類の駄菓子などで盛りだくさんの店内は、子どもたちにとって夢の世界といっていいだろう。

14年夏のオープン以来、地元の小学生をはじめ、札幌市内からも遠足時のおやつを求めて子どもたちがやってくるという。明るいキャラクターの店長・柴田愛子さんは「こういう駄菓子屋は最近珍しいので、知ってくれれば来てくれると思う。(ボールパークに)期待しています」。

店の中を眺めていると、なんだか少年のころに戻ったかのような気持ちに。目についたのは「チョコバット」。野球観戦に向かう途中、「たにぽん」でお菓子を調達するのが子どもたちの王道コースになるかもしれない。【山崎純一】