高校野球の強豪、済美(愛媛)野球部出身のお笑いコンビ、ティモンディの前田裕太、高岸宏行(ともに28)が、新球場への期待と独自の構想?を語った。4月3日には初冠番組となるSTV「ハレバレティモンディ」(毎週土曜日午後11時半~)の放送開始に合わせ、ロッテ戦(札幌ドーム)のファーストピッチに登場。人気コンビが夢のボールパークに思いをはせた。【取材・構成=浅水友輝】

笑顔を見せるティモンディの前田裕太(左)と高岸宏行
笑顔を見せるティモンディの前田裕太(左)と高岸宏行

雪景色の中でのゲーム観戦も、やればできる!? 北海道でコンビ初の冠番組が春からスタートするティモンディのツッコミ前田とボケ高岸は、高校時代に済美野球部でプロを目指していた。23年春に開業予定のボールパーク「Fビレッジ」と新球場「エスコンフィールド北海道」に注目している。

前田 ボールパークいうと米国だったら遊園地併設だったり、大きな川でボートをこげたり。いろいろと色がありますよね。「北海道ならでは」みたいなのが1つあればいいよね。

高岸 タイガース、うん。デトロイト・タイガースのチャンスになったら虎の口が光るものとかね。

前田 人工の雪が降るとかね。野球ファンからしても「この球場、来たぞ!」ってなりますよね。

高岸 うん、うん。いいですね。

新球場には外野席上段に天然温泉が設置される予定で世界初の試みだ。

前田 北海道のニセコの温泉はすてきだったなあ。

高岸 いいですねえ、温泉席。温泉シート。

初冠番組「ハレバレティモンディ」がスタートするティモンディの前田裕太(左)と高岸宏行(C)STV
初冠番組「ハレバレティモンディ」がスタートするティモンディの前田裕太(左)と高岸宏行(C)STV

4月3日の札幌ドームでのファーストピッチを楽しみにする。昨年10月のヤクルト-広島戦(神宮)の始球式では最速138キロの直球を投げ込み、これが2度目の登板。高校時代に対戦経験のある日本ハム西川のコメントも伝え聞いた。

前田 以前、サインボールを送ってもらった。どうにかして恩返しがしたい。ありがとうの意味を込めて、芸能界最速をたたき出してもらいたい。

高岸 おぉ~。

前田 いや、投げるのは君だから。

高岸 もちろん。投げるからにはマックスを投げたい。今のところ僕のマックスは170キロなので。次は175キロを目指してですね。

前田 出しているところを見たことない。スピードガンの数字を頼みますよ。

日本ハムが北広島市に建設中のボールパーク(3月25日撮影)
日本ハムが北広島市に建設中のボールパーク(3月25日撮影)

日本最速を出せば、新球場での登板の可能性も浮上しそうだ。

高岸 個人的に体感したいのもありますし、一芸人でも投げることができるんだよ。というのは、野球やスポーツの夢を断念して違う道を行かざるを得なかった人たちに少しでも勇気を与えることができると、僕は思う。

4月から事務所の先輩サンドウィッチマンが7年間続けた番組の枠を引き継ぐ形で冠番組が始まる。

前田 ゆくゆくは道民の方に北海道といったら土曜日はハレバレティモンディ見たとか、共通の会話になっていったらうれしい。ボールパークは何年も考えられてつくられている。僕らも何とか追いつくように頑張りたい。

◆ティモンディ グレープカンパニーに所属するお笑いコンビ。ツッコミの前田裕太は1992年(平4)8月25日、神奈川県出身。ボケの高岸宏行は1992年(平4)10月8日、愛媛県出身。2人とも済美野球部出身で投手だったが、甲子園出場は果たせていない。愛媛・伊予観光大使(いよかん大使)。


■4月3日から初の冠番組スタート 何でもチャレンジ!

4月3日放送開始のティモンディ初冠番組「ハレバレティモンディ」(C)STV
4月3日放送開始のティモンディ初冠番組「ハレバレティモンディ」(C)STV

オリンピック(五輪)出場だって、やればできる!? 4月3日から放送開始の初冠番組「ハレバレティモンディ」は、高岸の決まり文句「やればできる!」をモットーに何でもチャレンジするのが番組の趣旨だ。冬季競技に挑戦する計画もあり、188センチ、90キロの高岸は「もちろんやるからには代表、冬季五輪を目指したいなって思う」と大まじめに宣言。ソリ競技などは他競技から挑戦する選手も多く、前田も「ゆくゆくはボブスレーとか出ているかも」と笑う。

昨年末には阪神秋山の自主トレをサポートした。高岸は「僕がトレーニングをしている意味の1つとして、『何歳から始めても成長はできるんだよ』と言うメッセージを届けたくてトレーニングしている」と明かす。番組では夢を追う道産子を応援する企画もある。

サンドウィッチマンから引き継ぐ形で始まる番組に意欲をみせる。前田は「スタッフさんが一緒に良い番組にしようという熱量をすごく感じる。すでにワンチームですね」。まだ道内市町村の位置もわからないが、高岸は「179市町村、全部行きたいですよね。やっぱりいろいろな個性があるのは間違いないと思うので」。北海道に根付き、愛される番組を目指す。


北広島市内に店を構える大塚茶房(撮影・山崎純一)
北広島市内に店を構える大塚茶房(撮影・山崎純一)

<日本ハム担当の山崎記者の「純さんぽ」>

ボールパーク建設地周辺を日本ハム担当の山崎記者が歩く「純さんぽ」。今回みつけたのは、15年にオープンした小さな喫茶店「大塚茶房」。地元の人たちはもちろん近隣の町からの常連客もいるなど、憩いの場として知られている。

手作りのシナモンドーナツとホットコーヒーに癒やされながらひと休み。カフェのような空間でありながら、日替わりのランチメニューも用意され、平日の昼には「おうちごはん」を求めてやってくる人も多い。

大塚茶房で人気のドーナツとコーヒーのセット(撮影・山崎純一)
大塚茶房で人気のドーナツとコーヒーのセット(撮影・山崎純一)

ボールパーク開業まで約2年。建設地周辺では大型クレーンが複数稼働している。店主の大塚美鈴さん(57)は工事が進む様子を見て「(2年後)どうなっているのかな。賑やかになるでしょうね。できたらすぐに行きますよ」と待ち切れない。自家製パンをはじめ、前日までの予約で弁当のテークアウトも可能。球場へ足を運ぶ際にはぜひ立ち寄りたいお店だ。【山崎純一】