西武からの単独1位指名を受けガッツポーズする日体大・松本航(2018年10月25日撮影)
西武からの単独1位指名を受けガッツポーズする日体大・松本航(2018年10月25日撮影)

25日のドラフト会議。西武は1位で日体大・松本航投手を単独指名した。前日のスカウト会議の後、渡辺SDは即戦力投手と将来性野手の二択で悩んでいることを明かしていた。フタを開ければ、大学NO・1の評価を受ける即戦力右腕だった。

他球団との駆け引きが火花を散らす中、担当記者にも“戦い”があった。1位および外れ1位で誰を指名するかの予想だ。今回のソフトバンクやオリックスのように事前に公表してくれれば悩むことはないが、今年の西武は非公表。私はSDの言葉に頭をひねりながら、同僚記者たちの取材を助けに松本と予想した。おかげで当てることができたが、正直、そこまで自信はなかった。

1人で勝手にドキドキして迎えた当日。控室からドラフト会場に向かう渡辺SDと辻監督を見たら、水色のネクタイをしているではないか。水色といえば、日体大野球部のカラー。「よし」と心でガッツポーズした。験を担ぐ2人のこと。吉田なら金足農の紫、根尾なら大阪桐蔭のエンジのネクタイをしてきたはずだ。

ところが、である。2人に続いて現れた居郷球団社長のネクタイも水色だった。おお、社長も験を担いだか。続いて鈴木球団本部長。同じく水色。今年で退任するため、最後のドラフトへの意気込みが伝わってくる。さらに、飯田常務も水色。気合、入ってる。渡辺スカウト。水色。そろえてきた。球団広報。やはり、水色。すごい。結局、みんな水色じゃないか。

いやいや、いくら何でも、やり過ぎでは。と思って確認したら、球団支給の今年のチームスーツとネクタイを、みんな着ているだけ、という落ちだった。

とはいえ、だ。辻監督は「考えてみたら、日体大も水色だなと思ったんだ。どうせなら、パンツも水色をはいてこようと思ったけど、昨日はいたから無理だった」と、意中の投手をゲットして、高笑い。西武と松本は、赤ならぬ水色の糸で結ばれていた、ということにしておこう。【西武担当 古川真弥】

日体大・松本航の交渉権を獲得し関係者と握手を交わす西武辻発彦監督の胸元には水色のネクタイが(2018年10月25日撮影)
日体大・松本航の交渉権を獲得し関係者と握手を交わす西武辻発彦監督の胸元には水色のネクタイが(2018年10月25日撮影)