阪神が新外国人野手としてエンゼルスからFAとなったジェフリー・マルテ内野手(27)と大筋合意したことが20日、分かった。大谷の同僚だったことでも知られ、今季は7本塁打を放つなど、大リーグ通算30本塁打をマークする右打ちの長距離砲。

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打撃成績以上に、マルテは首脳陣からの信頼が厚かった。打率は2割1分6厘と低いが、相手先発が左の際は「右の強打者」としてスタメン起用される機会も多かった。7月28日、同僚の大谷が、相手のリリーフ左腕から強烈な弾丸ライナーの二塁打を放った。左投手でも打てることを証明したが、翌日の29日、対左投手を相手に先発起用されたのはマルテだった。それだけ、ソーシア前監督ら首脳陣から期待が大きかった。

バットを振った後のフォロースルーが大きく、打球速度が速い。18年シーズンの打球速度の最速は114・2マイル(約184キロ)。わずかだが、大谷の最速113・9マイル(約183キロ)を上回る。メジャー全体では41位、エンゼルスではトラウト、アップトンの主力に次ぐ3位だった。率は低くても、メジャーで上位につけるパンチ力が魅力だ。

9月30日のシーズン最終戦では4番を任され、「3番大谷」とクリーンアップを組んだ。期待に応え、3打数2安打3打点。9回には、一塁走者の大谷を生還させる同点二塁打を放った。勝負強さも見せた左キラー・マルテ。虎の4番候補としても期待できそうだ。【斎藤庸裕】