西武キャンプにサプライズ訪問した広島長野(右)と握手を交わす西武内海
西武キャンプにサプライズ訪問した広島長野(右)と握手を交わす西武内海

西武が春季キャンプを行う宮崎・南郷で「内海詣で」が起こっている。

内海哲也投手を慕う元同僚の選手、コーチ、スタッフらが訪れている。昨年まで巨人で指揮を執った高橋由伸氏も訪ね、旧交を温めた。野球評論家の方たちも、新天地でどんな投球をしているのか? チームになじめているのか? その表情を見に、南郷までやってくる。

その中でも劇的だったのは、やはり同じ境遇で移籍することになった広島長野久義外野手だった。突如、駐車場から姿を見せ「内海さん投げてますか?」と、ブルペンへ直行。気を使って中には入らず、ファンと同じく窓から手を振った。ちょうどブルペン投球を始めたばかりの内海は、窓から一番近くで見える左端のレーンにいた。ざわつくファンと、なにやらしきりに手を振る全身黒ずくめのガタイのいい男にすぐに気づき「お、チョーさん!」と驚きながら手を振りかえした。

このドラマチックな? 再会は、内海の気配りが演出したのかもしれない。キャンプ初日、最年長とあってブルペンに一番乗りすると、何も分からず右端で準備。投げ始めてから、右投げ投手と対面してしまうことに気づいた。左隣が右投手だと、顔を向かい合わせながら投げることになるからだ。「申し訳ないことをしてしまった」と、翌日から誰にも気を使わせることがないようにと、左端で投げ続けていたのだ。

新天地でも気配りを忘れない内海、そしてベストタイミングで登場したチョーさん。そんな2人だから、絵になる再会を果たしていた。【西武担当 栗田成芳】

西武内海(奥)のブルペンに向かってファンと一緒に外から手を振る広島長野(手前)
西武内海(奥)のブルペンに向かってファンと一緒に外から手を振る広島長野(手前)