ソフトバンクの宮崎キャンプは14日、第4クールに入った。甘いバレンタインデーもドラフト1位甲斐野央投手(22=東洋大)にはちょっぴりほろ苦い1日となってしまったようだ。

午前中に行われたサインプレーの練習だった。走者を置いて、捕手からのブロックサインに対応して各種の守備フォーメーションを行うものだが、マウンドに上がった甲斐野の時にプレーが止まった。捕手甲斐からのブロックサインを受けたものの、甲斐野はきょとんとしたまま。2度やり直して3度目のサインでも、甲斐野は「?」 帽子のツバに手をやる「了解」のジェスチャーも返すことなく、マウンドにたたずんでいると、二塁手のベテラン川島から「甲斐野! アンサーは!」と大声が飛んだ。

甲斐野はサインを覚えていなかったわけではないが、少しばかり複雑化して捕手の甲斐がサインを送ったために、すぐには分からなかったようだ。本多内野守備走塁コーチは「ちょっと難しくというか、まあ普通のサインなんですけど、甲斐野はえっ? となってしまったんでしょうね。でも(サインを)3度もスルーしたらダメでしょ」と苦笑いしながらも、しっかり新人くんにクギを刺した。

「サインに戸惑ったりとかはなかったけども、分からないことはしっかり聞いていかないと。恥ずかしがらずにやりたい」。練習を終えると、甲斐野はそう言って口元を引き締めた。

ブルペン投球でも72球を投げ込んだが、満足いく投球ができなかったよう。「全然ダメでした。いい球が続かない。紅白戦までには何とかしたい」。キャンプインから順調に調整を続け、シート打撃登板では最速153キロの速球も披露。この日でキャンプも折り返し地点。疲れもピークかもしれないが、目標の開幕1軍入りへ、ここからがまさに踏ん張りどころとなる。【ソフトバンク担当 佐竹英治】