スポーツ界は「準備」の大切さを説く。これはスポーツに限ったことではなく、一般社会でも同じだろう。「備えあれば憂いなし」の言葉通り、何事にも準備というのは大切だ。

開幕まで3週間を切ったプロ野球。さて、V奪回&3年連続日本一を目指すソフトバンクの「準備」はどうだろう。自主トレ、キャンプから必死に取り組んできた練習に結果が伴わず、軌道修正を余儀なくされる場合もあるだろうし、思わぬ故障やケガもある。備えても備えてもアクシデントは起こる。マイナス要素は最小限に抑え、さらにバックアップ体制はしっかり整えておきたいところだろう。

福岡・筑後市にあるファーム施設ではこの日、期待の新人くんに笑顔が戻った。キャンプ中のケース打撃登板で右足首のじん帯損傷したドラフト2位杉山一樹投手(21=三菱重工広島)だ。全治1カ月の診断も、超回復でブルペン投球にこぎつけた。杉山はまだ「開幕1軍」をあきらめてはいない。「これからどんなことが起きるかわかりませんからね。目標は開幕です」。立ち投げで10球。トレーナーからの制約があるため、これから徐々にペースアップしていく予定だ。

3年間所属した三菱重工広島での業務は工場内の安全環境部門。場内パトロールし、服装から設備の点検などで、杉山は点呼係だったという。「会社ではしっかり安全確認していたのに。これからもケガしないようにしっかり確認しないと」。過去の経験で無駄なものはない。

ホークスは外国人枠の問題などもあって、投手編成はまだまだ不透明な部分が残る。「先発がしたいですね」。杉山は自己主張した。目標の先発入りへ-。今度こそ、しっかりと「準備」を整えるつもりだ。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

ドラフト2位の杉山一樹(2019年2月12日撮影)
ドラフト2位の杉山一樹(2019年2月12日撮影)