この男、オリックスの“あげチン”なのかもしれない。チームは開幕から6試合で勝ち星がなかった。西野真弘内野手(28)が5日に1軍昇格。そこから悪い流れが一変し、西野が合流してからチームに今季初の連勝をもたらした。

「白星がなかったからその流れを変えたかった。なんとか早く1軍に戻って、本当に雰囲気を変えたいというか、勝ちにつながる雰囲気にしたい。そういう役割というのは呼ばれた時に思った」

昨季の8月11日、レギュラーに定着し始めた時に突然のアクシデントが西野を襲った。ロッテ戦の試合前の守備練習中に打球が額に直撃し、前頭骨骨折および脳振とうで戦線離脱。シーズン中に復帰することはできなかったが、懸命なリハビリを続け、2月の宮崎春季キャンプは1軍スタートで迎えた。しかし、実戦で結果を残せず3月中旬に2軍降格。その後徐々に結果が出始め、シーズン序盤で1軍に返り咲いた。

ファームではポジティブ思考で状態を上げてきた。7日楽天戦では2年ぶりの本塁打を放ち、ベンチではサイレントトリートメントで祝福を受けた。2軍での取り組みについて「やってきたことはそんなに変えてないけど、気持ち的な部分は変わった。結果出ないからダメだなというのではなくて、切り替えてポジティブにいこうと。そうじゃないと運も回ってこない。そう考えるようになってから良くなってきた」と明かした。

チームスローガンの「Be Aggressive #超攻撃型」を今季の自身のテーマにも重ねる。「スローガンにもあるようにアグレッシブにいくだけ。今までは『今年はああしようこうしよう』とやってきたけど、思い切ってやることがテーマ。ミスしても何しても思い切って、自分が持っているものを出すだけ」と力を込めた。西野が運んできた勝ち運は本物なのか。背番号5がもたらす「アゲアゲムード」に注目だ。【オリックス担当 古財稜明】