ロッテ戦の9回表、左越え適時二塁打を放ちガッツポーズする原口文仁(2019年6月4日撮影)
ロッテ戦の9回表、左越え適時二塁打を放ちガッツポーズする原口文仁(2019年6月4日撮影)

プロの世界に生きるということ-。阪神原口文仁捕手(27)は、5月4日ロッテ戦(ZOZOマリン)で234日ぶりの1軍復帰を果たした。18年末の大腸がん宣告から手術、リハビリを経てのカムバック。代打でいきなりの適時二塁打。二塁へのヘッドスライディングは、多くの人の心を打った。同9日には日本ハム戦(甲子園)で劇的なサヨナラ打。スタメン起用に復帰後初マスクなど、活躍を続けている。

6月末のとある試合前。原口選手に復帰後の野球に対する取り組みの変化について問うと「取り組みは今までとずっと一緒です。全然、変わることは無く。(気持ちの面でも)試合に入ったら、いつもやることは一緒なので」。意外だったがすぐに当たり前だと気づき、考えを改めた。

戦列復帰した原口選手からは常々、「結果」というワードを耳にした。プロで戦う一選手として、懸命にひたむきに野球に取り組む姿は、いつだろうと変わらない。自分はまだ「大病を乗り越えた」という前提で物事を見ていた。その中で原口選手はすでに復帰の先、一プロ野球選手として結果を追い求める段階にいた。自分の認識、考え方も次のステップに進まなければいけない。そう強く思った出来事だった。【阪神担当 奥田隼人】

守備練習をする原口文仁(2019年6月28日撮影)
守備練習をする原口文仁(2019年6月28日撮影)