2月1日のキャンプ初日。阪神2軍の練習メニューに目をやると、「球春到来!」と一番下に書かれていた。今年もまたプロ野球のシーズンが始まるなあと、気持ちが自然と高まった。

翌2日。今日の練習メニューは…と眺めていると、また一番下に何かが書かれている。「中途半端にやると他人のマネになる。とことんやると他人がマネできないものになる。」。背筋が伸びるような格言だった。3日のメニューにも「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ。」と書かれている。毎朝見るのがなんだか楽しみになってきた。

毎日言葉を考えているのは権田康徳トレーナーだった。出典が分かる言葉には、その人の名前を書いているという。3日の「中途半端に~」は、株式会社リクルート創業者の江副浩正氏の言葉だそうだ。毎日ぐっとくる言葉を探すだけでも大変そうだが、権田トレーナーは「文字目立ちすぎですかね? フォント小さいほうがいいですかね?」と細部まで気に掛けていた。3日の練習メニューには「☆」印で早出特打と特守のメンバーまで書かれていた。

そういえば、矢野燿大監督(51)が就任した18年の秋季キャンプの練習メニューは「誠志郎、拳弥、隆太郎、悠輔、健斗、文仁…」と下の名前で書かれていたことがあった。少しの違いでそれを書いている人や、考えた人の顔まで思い浮かぶ気がする。キャンプの楽しみが1つ増えた。【阪神担当 磯綾乃】

阪神2軍キャンプの2月2日の練習メニュー。一番下には格言が書かれている(撮影・磯綾乃)
阪神2軍キャンプの2月2日の練習メニュー。一番下には格言が書かれている(撮影・磯綾乃)
阪神2軍キャンプの2月3日の練習メニュー。一番下には格言が書かれている(撮影・磯綾乃)
阪神2軍キャンプの2月3日の練習メニュー。一番下には格言が書かれている(撮影・磯綾乃)