<巨人3-2広島>◇23日◇東京ドーム

連覇を目指す巨人にニューヒーロー誕生だ。プロ通算1勝の2年目右腕、戸郷翔征投手(20)が宿敵広島打線を7回途中7奪三振の2失点に抑え、今季初勝利を挙げた。

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桑田氏以来の高卒2年目で開幕ローテ入りした巨人戸郷は、“グラブ職人”でもある。プロ野球選手は、グラブのひもが切れれば、メーカーの担当者に依頼して新しいものに替えてもらうのが一般的。しかし、新品のひもだけをもらい器用に自分で交換する。中学時代に父健治さんが替えてくれていたのがきっかけ。「見ながら面白いなと思った」。甲子園に出場し、夢に近づいた高校時代から始めた。プロ入り後は自身のものだけにとどまらず、先輩のひもの交換まで買って出る。最近では同じSSKの高田のグラブを代えた。

道具を大切にしたい気持ちが強い。常に身につけ、自身を守ってくれるのはグラブ。「それを大事にするのが一番なんじゃないかと。両親に教わりましたね」と父と母ヒトミさんの教えを胸にマウンドに立ち続ける。プロ通算173勝を挙げた桑田氏も道具を大切にする選手だった。偉大な先輩の後を追う。【久永壮真】

巨人対広島 巨人の先発戸郷(撮影・たえ見朱実)
巨人対広島 巨人の先発戸郷(撮影・たえ見朱実)