<ロッテ2-4西武>◇2日◇ZOZOマリン

西武内海哲也投手(38)が、移籍後初白星を手にした。今季2度目の先発登板で、5回2安打無失点で好投。ベテラン左腕は最後に両足太もも裏をつりながら、6回に味方の援護を受け、勝利投手の権利を得て交代した。炭谷のFA移籍に伴う人的補償で、15年過ごした巨人から移籍して2年目。巨人時代の18年8月21日DeNA戦以来743日ぶりとなる白星で、チームに4連勝をもたらした。

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内海が昨季36歳で踏んだ新天地での背番号は、巨人での26番ではなく27番だった。

15年間背負った番号は、巨人OBの祖父五十雄さんがつけた番号。愛着も強かったが、移籍が決まった19年1月時点で、先にドラフト指名を受けたルーキー粟津の背番号として発表されていた。19年“同期入団”ではあるが、およそ2カ月の時間差で、空き番号ではなくなっていた。しかし「26番=内海」という印象はファンには強い。プロ野球生活を「西武の26番」としてスタートさせようとしていた粟津にも、自然と耳に入ってきた。

居たたまれなくなった粟津が入団直後、内海のもとへいき「すいません」と頭を下げると、内海が言った。「ホンマやで!」と冗談を言いながら笑顔で最初はおどけていたが「気にしないで。ジャイアンツでは26番だったけど、ライオンズでもらった番号は27番。26番はジャイアンツまで。俺は27番で活躍がしたいんだ。だから気にするな」。ルーキーの心中を察しながら、球界を代表する左腕が言った決意の言葉は、当時新人だった粟津の負い目をぬぐい去ると同時に「僕も26番で活躍したい」とかき立てた。【西武担当 栗田成芳】

ロッテ対西武 力投する西武先発の内海(撮影・横山健太)
ロッテ対西武 力投する西武先発の内海(撮影・横山健太)