<オープン戦:ソフトバンク4-1中日>◇3日◇ペイペイドーム

「桃の節句」なのに、もう桜の開花宣言といっていいソフトバンク投手陣の奮投ぶりである。

エース千賀、東浜の故障に加え新外国人レイ、マルティネスの来日が遅れ開幕ローテが不安視されていた。だが、オープン戦初戦から「候補者」が次々に快投を演じ、そんな不安も杞憂(きゆう)に終わりそうな気配だ。

2日のゲームでは、先発笠谷が4回無安打、続く杉山が3回1安打でともに無失点投球。きっちり結果を残せば、この日は先発武田が自慢のカーブを駆使してこれまた4回1安打無失点の好投。石川、和田、高橋礼に続く残り「3枠」の先発入りに向けて最高の滑り出しを見せた。

ソフトバンク対中日 力投するソフトバンク先発の武田(撮影・梅根麻紀)
ソフトバンク対中日 力投するソフトバンク先発の武田(撮影・梅根麻紀)

さらに二保、大竹とまだまだ候補はいる。与田中日との2戦だけで判断するのは早計かもしれないが、やはり投手層の厚さは12球団トップクラスだろう。抑えの森を筆頭にブルペン陣は安定しているだけに、離脱者のリカバリーに大きな光が差した感じだ。

ファームでは千賀が柳田とシート打撃で対戦。この時期に実戦形式の調整を行っているだけに、両者の復帰もそう遠くはない。柳田に関しては、関東遠征後にもチーム合流を予定しており、今宮の復帰もあって投打ともにようやく「開幕」の骨格が見えてきた。

そうなると、少しばかり不満に感じるのは若手の奮起が足りないことだ。キャンプA組から引き続きオープン戦参加しているリチャード、柳町、佐藤直らにギラつくような闘争心を見せてもらいたいのだが…。

1戦1戦、1打席1打席がふるい落としの試験なのだ。「桃栗3年、柿8年…」というが、プロ選手にはそんなに悠長な成育時間はない。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

先発した武田は4回を投げ無失点と好投、松田に頭をなでられる(撮影・梅根麻紀)
先発した武田は4回を投げ無失点と好投、松田に頭をなでられる(撮影・梅根麻紀)