野球を学ぶ機会が、多様化している。若手選手に話を聞くと「YouTubeで●●選手のプレー、練習方法を見て学びました」と答える選手が多い。パソコン、スマホが当たり前に使える環境に、コロナ禍で自由に動き回れず、野球教室も自由に開催できない状況も重なる。ネット上から得られる知識が貴重な情報源となる地方在住のプレーヤーも数知れない。

時代の流れに沿うように、オリックス山岡、楽天森原、ソフトバンク高橋礼らが自主トレで師事するトレーナーの高島誠氏が5月1日からオンライン野球ゼミ「B MAX LITE」を開設する。オリックス、米メジャーのナショナルズでトレーナー経験があり、現在は広島で「Mac's Trainer Room」を経営。データ分析機器「ラプソード」などを活用しパフォーマンスアップのための動作解析、練習方法などを提案する。部活動時間が50分と話題の広島・武田高校のトレーニングを指導し、オリックス19年育成ドラフト2位右腕の谷岡も輩出した。

高島氏のオンライン野球ゼミの特徴は、日米両国の野球に触れられること。米国の大学リーグでプレー経験のある京都・立命館高校出身の赤沼淳平氏、都立城東高校出身の牧田恭平氏もメンバーに入り、月6回の動画、コラム配信、週1回のラジオ配信を行う。日本国内での認知度が低くても、米国で主流となっているトレーニング方法や考え方の違いなどを、目で耳で、気軽に得ることができる。

もちろん、“頭でっかち”ではいけない。日々の練習、努力が大前提だ。ただ、多角的な目線、知識を得て、自らかみ砕いて実践することで普段の練習が2倍、3倍と効率化され、新たな才能を開花させるきっかけになるかもしれない。時代の変化とともに、野球を学ぶ方法も進化を続ける。【桑原幹久】