コロナ禍に見舞われた広島が、快方へと向かっている。5月17日に新型コロナウイルスの感染者が3人出たことを皮切りに、同23日までに選手9人、コーチ2人、スタッフ1の計12人がPCR検査で陽性と判定され、2人が濃厚接触者に。現状、チーム内で猛威を振るった未知のウイルスの勢いは収束しつつあり、すでに全員が活動を再開した。

大盛穂外野手(24)も陽性と判定された1人だった。当初は「正直かかってないだろうな」と思っていたという。まさかの判定に「10日くらい野球できないのはわかっていたので。『ダメだ、最悪だな』と思いました」。発熱こそなかったものの、「インフルエンザみたいな感じの体の痛み、関節痛とかがひどくて…。あとは鼻づまりもひどくて、嗅覚はちょっと違和感がありました」。療養中に体重は1・5キロ減少した。

大盛は5月31日に活動を再開し、3日のウエスタン・リーグ中日戦(由宇)で実戦復帰を果たした。2回の第1打席で左前打を放つなど、フル出場で3打数1安打1四球。守備でも持ち味の快足を武器に、計4つのフライを捕球した。試合後には「体を動かせることが本当に幸せだと思いました」と余韻に浸っていた。

思わぬ形で戦線を離れたが、前向きに捉える部分もある。「今年の出だしからの自分の内容とか、取り組みとかいろいろ振り返って反省して、もっとこうやっていこうかなとか、そういう考える時間になりましたし、後半に向けて頑張っていこうと思えた時間だったかなと思います」。頭と気持ちを整理する時間にあて、再スタートを切った。

陽性だった菊池涼、小園、鈴木誠と続々と1軍に復帰を果たしている。大盛は「まずは体力を戻して、2軍の試合で結果を残して、1軍に呼ばれるように頑張っていきたい」と気合を口にした。苦難を乗り越え、再び1軍の舞台に返り咲く。【広島担当=古財稜明】