楽しみにしていた今期スタートの新作アニメ「白い砂のアクアトープ」の第1話を視聴しながら、つい先日の出張を思い出していた。

「とにかく暑かったけど、なんか和んだなぁ」と。何を隠そう、同アニメは沖縄を舞台にした作品。今月3、4日の日本ハム-ソフトバンク戦で訪れた際に見たような光景が、とにかく美しく描かれており、自然と滞在中の記憶がよみがえってきた。

ソフトバンク担当の私は、西武戦があった19年以来、2年ぶりに同地を訪れた。観客制限もありスタンドには空席が目立ったが、少年野球チームが招待されていたりと活気があった。ファウルボールがスタンドに飛べば、駆けっこしながらボールを追う子どもたち。どちらのチームが攻撃していても、スタンド中が同じリズムで鳴らす、応援の手拍子。本拠地球場など普段の試合ではあまり見ることができない雰囲気に、自然と笑顔になった。

4日の試合後に、印象的な出来事があった。嘉弥真新也投手(31)がヒーローインタビューに呼ばれたのだ。嘉弥真は沖縄県石垣市出身。2試合連続の凱旋(がいせん)登板でひときわ大きな拍手を浴び、いずれも完璧に抑えていた。正直に言うと、先発で好投したレイか決勝打の甲斐か、どちらかがヒーローかなと思っていた。そんな中で、昨年まで現役選手だった西田広報は「お母さんが来ているみたいなので、ヒーローインタビューをつまみに泡盛を飲んでもらいます」と、粋な選択の舞台裏を明かしてくれた。嘉弥真自身も照れながら「幸せな気持ち。いいところを見せられて良かったです」と喜んでいた。

こういう時期とあって、沖縄料理などは満足に食べられなかったが「いいものを見せてもらったな」と感じた仕事の後に、スーパーで買った海ぶどうを食べながら飲むオリオンビールは最高においしかった。【ソフトバンク担当=山本大地】