3年目の中日勝野昌慶投手(24)が先発ローテーションを守って前半戦を完走した。

14試合に登板し3勝5敗、防御率3・42。最終登板になった7月11日DeNA戦では6回1失点で降板。打線が直後の6回に5点を奪い、勝利投手の権利が転がり込んだが、終盤に同点に追いつかれて、自己最多に並ぶ4勝目は後半戦へ持ち越しとなった。

6月27日広島戦では広島のエース森下と投げ合った。6回1失点と好投も白星はつかなかった。森下は同学年で東京五輪メンバーに選出される活躍を見せている。「同じ年だし、すごくいい投手。絶対負けたくない気持ちが強かった」。自身の侍ジャパン入りに懸ける思いを聞くと「まあ今は、そういうことを考えている時間はない」。目標や夢を封印して、今年に臨んでいる。

勝野は4月28日阪神戦で3勝目を挙げた後、9試合白星から遠ざかる。KOも目立った。それでも首脳陣は使い続けた。「目の前の試合に勝つことも大切だけど、次も登板させたいという投球をしてみろ。その気持ちを1年間持ち続けろ」。阿波野投手コーチらは勝野にハッパをかけ続けた。

与田監督は、今季は「柳、小笠原を次世代のエース候補」と公言しムチを入れた。前半戦で柳はチームトップの7勝、小笠原6勝。大野雄、福谷が2人合わせて7勝と苦しむ先発の台所を救っている。中日は借金10の4位で前半戦を終了。勝野は「勝ちは自分でコントロールできないと吉見さんの言葉にもあった。しっかりゲームを作っていきたい」と後半戦をにらむ。エース候補に勝野が食い込む活躍をしたとき、竜の反攻に現実味が帯びてくる。【中日担当=伊東大介】