<日本ハム17-5ソフトバンク>◇11日◇札幌ドーム

青空の広がった札幌は、心なしか肌寒かった。やはり北の大地は秋の訪れが早い。4位からの逆転Vを狙うソフトバンクにとっては負けられないはずの北海道遠征だった。初戦を引き分けて臨んだ日本ハムとの第2戦。あまりにも無残な敗戦を喫してしまった。

1回途中で降板するソフトバンク石川(手前)(撮影・佐藤翔太)
1回途中で降板するソフトバンク石川(手前)(撮影・佐藤翔太)

初回になんと11失点。試合は終わった。「負けられないはず」のチームがどうして11点も献上してしまったのだろうか。先発石川の乱調と言ってしまえばそれまでだが、傷口に塩をぐりぐりと擦り込むようにホームを駆け抜けていく日本ハム打線にベンチは何とかストップをかけられなかったのだろうか。交代機を含めて動かないベンチが不思議であった。2回には2番手高橋礼が5失点…。これでは打線の奮起と言っても酷な話だ。リチャード、松田の1発など5点を返したものの序盤で「戦意」はついえていたろう。大敗であろうが、惜敗であろうが1敗は1敗と割り切れればいいが、追う立場にとってなかなか気持ちの切り替えは難しい。だからこそ、序盤に「粘れる」点差で食い止めてほしかった。

ベンチで渋い表情のソフトバンク工藤監督(左)(撮影・黒川智章)
ベンチで渋い表情のソフトバンク工藤監督(左)(撮影・黒川智章)

試合後の工藤監督もさすがに消沈気味だった。「初回がすべてと言ったらすべて。それしかないなあ…」。敗戦の言葉を聞いていると、乱調の石川よりもむしろ大量失点の直前で「手を打てなかった」自身に自責の念を感じているかのようでもあった。工藤政権となって7年目。これまで1イニング9失点を喫した試合は2度あったが、11失点は初経験。ホークスにとっても99年4月7日のロッテ戦以来だから22年ぶりの屈辱だった。

気になることがある。シーズン110試合を消化して勝率5割に戻った。後半戦スタートした約1カ月前から、まだ「前進」はない。必勝のムチはいつ入るのだろうか。【ソフトバンク担当 佐竹英治】