未来のスターはこの選手だ! 巨人は11日、宮崎キャンプ中、唯一の実戦となる紅白戦を実施した。坂本、岡本和ら主力組は出場せず、若手主体の1軍と2軍が2チームに分かれて対戦。首脳陣が熱視線を送る中、那覇キャンプ行きの切符をかけて、アピール合戦が行われた。

今回は、そんな“サバイバル紅白戦”に出場した、可能性にあふれる育成選手8選手を紹介します。(過去に巨人で支配下歴がある選手を除く)

【投手】

◆鈴木優

地元・東京生まれで、雪谷(東東京)時代には、都立の星と呼ばれた右腕。前所属のオリックスでは、7年間で1勝にとどまり、今オフに戦力外通告を受けた。直球に加えて「生命線」と表現するツーシームを武器にする。

◆木下幹也

昨年の秋季練習で原監督に「投手らしい投手」と名指しで称賛された高卒2年目の本格派右腕。ゆったりしたフォームから、投げ下ろす角度のある直球が武器。今オフは名門・横浜の先輩である楽天涌井、中日柳に弟子入りした。

◆笠島尚樹

速球派のスリークオーター右腕。20年育成ドラフト3位で入団した高卒2年目。元々上投げだったわけではなく、野球を始めたときから、スリークオーターだった。マウンド上ではポーカーフェースで淡々と投げ込む。普段から感情が表情に出ることは少なく、チームメートからは畠、井納に続く「宇宙人」襲名のうわさも?

◆山崎友輔

いつでも笑顔を絶やさないタフネス右腕。20年の育成10位で入団した福山大出身者で初のプロ野球選手。今オフは鍵谷に弟子入りして、ともに自主トレを行った。常にサイドを豪快に刈り上げるこだわり? の髪形を貫く。


【野手】

◆勝俣翔貴

パンチ力のある打撃が武器のスラッガー。オリックス時代には、ルーキーイヤーの20年はオープン戦でエース菅野から本塁打を放った過去がある。しかし、シーズンでは8打席8三振。昨季も1試合の出場にとどまり、自由契約をとなっていた。今オフはオリックス時代の先輩である吉田正に弟子入り。紅白戦でも第1打席に左前打を放ち、3打数1安打1四球だった。

◆岡本大翔

20年育成ドラフト1位の大型内野手。190センチ、94キロの恵まれた体格を武器にする。米子東(鳥取)時代は遊撃手を務めたが、現在は三塁手を中心に守る。今オフは同じ名字の岡本和に弟子入りした。

◆加藤廉

20年ドラフトで、全体最後の123番目となる育成12位で入団した俊足巧打の内野手。昨年のキャンプ終了直後、2軍の3月3日には春季教育リーグ・ヤクルト戦で本塁打を放った。紅白戦でも9回に笠島から中前打を放った。

◆坂本勇人

主将の坂本…ではなく同姓同名の坂本勇人。由来は元ソフトバンクの寺原隼人から。画数の関係で「勇」になった。紅白戦では快音を響かせられなかったが、「代打、坂本勇人」という場内アナウンスに、スタンドがざわついていた。


昨季は松原が育成ドラフト出身選手として史上最多の12本塁打、球団初の規定打席到達など、数々の記録を打ち立てた。20年ドラフト勢でも喜多、戸田が支配下契約を勝ち取った。この中から、巨人の将来を担うスターが出てくるかもしれない。支配下にのし上がるための絶好のアピールチャンスとなるキャンプ中は、育成選手にも要注目だ。【巨人担当=小早川宗一郎】

巨人紅白戦 5回からマウンドに上がった白組鈴木(撮影・たえ見朱実)
巨人紅白戦 5回からマウンドに上がった白組鈴木(撮影・たえ見朱実)