DeNAがオープン戦で好調を維持する。14日時点で、6勝3敗2分けの3位タイで春季キャンプ中の練習試合を含めれば9勝4敗2分け。成績を眺めながら、ふと、昨年3月に日刊スポーツに掲載された「小谷の指導論 放浪編」でセ・リーグの優勝予想を行った小谷コーチングアドバイザーの言葉を思い出した。

「セ・リーグは混戦になると予測したが、その中で不気味だと思ったのがDeNAだった。三浦大輔新監督を迎え、チームが若いだけに走りだしたら止まらないケースがある」

昨年は、シーズン開幕時に外国人選手不在などでスタートダッシュに失敗し、最下位に沈んだが、今季はキャンプ、オープン戦と若手のアピール合戦がチーム内競争を活性化。5年目以内に限れば、野手では知野、細川、楠本、神里、ルーキー梶原が持ち味を発揮し、チームの勝利に貢献する。

若手が思い切ったプレーでアピールする裏側には、軸となる選手の存在感の大きさもある。開幕4番が決定した牧は2年目ながら、高打率で打線をけん引。主力組の宮崎、オースティン、ソトは各自で設定したテーマに取り組みながら、開幕に向け、順調な調整を続ける。

勢いはもちろん、地力をつけながら、白星を重ねる。今季はキャンプから投打にテーマを掲げ、投手陣には80%以上の確率で投手有利のカウントを作ることを指示。攻撃陣にはチーム打撃、走塁面では1つ先の塁を狙いにいく意識を植え付け、試合でも実践する。開幕から走りだす準備は整いつつある。【DeNA担当=久保賢吾】

細川成也(右)(2022年3月8日撮影)
細川成也(右)(2022年3月8日撮影)