「シビレーザー」にシビれた。最大6点差からの大逆転を決めた3日の日本ハム戦(甲子園)。4点を奪い試合をひっくり返した8回の攻撃の直前、長坂拳弥捕手(28)のファインプレーがあったことを記しておきたい。

8回表無死一塁。長坂は、犠打を試みた宇佐見の小フライをキャッチ。すぐさま一塁へ転送し、ダブルプレーを完成させた。ピンチの芽を摘み、この回無失点。直後の8回裏、逆転に成功した。長坂のプレーが、流れを引き寄せた1つの要因だと言ってもおかしくはないと思う。

冒頭の「シビレーザー」とは何か。2日の試合前練習後にさかのぼる。取材エリアで長坂にぶつけた。「どっちがいいと思いますか?」。

スコアブックに「シビレーザー」「長坂パンチ」と記し披露。「じゃあ、こっちで!」と選んでくれ、本人公認で、強肩の愛称が「シビレーザー」に決定した。5月21日のお立ち台で「シビれました!」と連呼したことから、連想させてもらったものだ。

試合に戻ると、5回表2死一塁でディレードスチールを試みた日本ハム上川畑を素早い送球でアウトに。命名から1日、さっそく「シビレーザー」を発動させた。今季ここまで相手の盗塁7企図を6度阻止し、盗塁阻止率は8割5分7厘。スピード、コントロールともに抜群で投手陣を助けている。

守備で貢献した直後の5回裏先頭では、右中間へのプロ初三塁打で出塁。代打北條の適時内野安打で3点目のホームを踏んだ。

プロ6年目の28歳。この日本ハム戦で10試合目の出場となり、これはキャリアハイだ。ソフトバンク甲斐の「甲斐キャノン」、阪神梅野の「梅ちゃんバズーカ」に続き、“シビレーザー”も…。ファンに定着させるくらいの活躍が楽しみだ。【阪神担当=中野椋】