<日本生命セ・パ交流戦:ソフトバンク1-3ヤクルト>◇10日◇ペイペイドーム

ソフトバンクは3年ぶりの「交流戦V」を果たせなかった。最終カードとなったヤクルト3連戦。セ・パの首位対決でもあったが、エース千賀が同点の4回、4番村上に勝ち越しを許す17号ソロを被弾。打線も初回の1点のみで、ホームが遠かった。

昨年の交流戦では残り3試合でヤクルトに3連敗。これで対ヤクルトは2年越しの4連敗ということになる。得意のはずの交流戦で「貯蓄」をもくろんだが、残り2試合で連敗すると9勝9敗の貯金0。昨年も交流戦負け越しからチームは急降下してしまっただけに、何とか流れを好転させたいものだ。

6月10日は「時の記念日」。時は歩みを止めない。打撃開眼に首脳陣が期待を寄せる新助っ人ガルビスは2試合ぶりの先発起用で1打席目に中前打。波に乗るかと思ったが、残り3打席はすべて力なく左飛に終わった。藤本監督にとっては「鳴くまで待とうホトトギス」の心境なのだろうが、すでに季節は梅雨入り目前。流れる時間は思った以上にスピーディーなのだ。

2回を投げ終え、ベンチに戻る千賀(撮影・梅根麻紀)
2回を投げ終え、ベンチに戻る千賀(撮影・梅根麻紀)

エース千賀は前回3日の中日戦(バンテリンドーム)で勝ったとはいえ、今季はなかなか波に乗れない感じだ。打線では「核」であるはずの柳田も本来の姿にはほど遠い。この日は早出の特打でバットを懸命に振った。投打の主軸の完全復調が待たれる。そんなことを考えていたら懐かしい声が耳に響いてきた。

若手にまじり、アーリーワークで汗を流すソフトバンク柳田(提供写真)
若手にまじり、アーリーワークで汗を流すソフトバンク柳田(提供写真)

「プロは一流から超一流を目指さなきゃいけないんだよ。ファンの人たちの期待以上の結果を出してな。それに応えたら、さらにさらに上の結果を求めなきゃならんのよ。それが超一流。止まることはない」。西鉄の大エースで鉄腕と言われた稲尾和久氏(故人)の言葉だ。この秋には鉄腕がこの世を去って15年になる。時の過ぎるのは何とも早い。【ソフトバンク担当 佐竹英治】