7日にDeNA今永昇太投手(28)がノーヒットノーランを達成した翌日、阪神青柳晃洋投手(28)に、ある記事を目にしてもらった。

「いいお手本がセ・リーグにいる。ああいう存在になりたいです。勝つ上にプラスアルファを乗っけられるように」

快挙の前日、青柳の名前を挙げ、登板への意気込みを語る今永のコメントが、そこにはあった。

「今永がどういう風に思っているのかは、その記事だけじゃ分からないけど…」とした上で、感じたことを話してくれた。

「投球内容よりも姿勢じゃないかな。ベンチで声を出したり、今年は意欲的に僕もやっているので。最後まで投げ切るだったり。チームを勝たせようという気持ちを感じてくれて、そう言ってくれているのかな」

マウンドでなくても、にじみ出るチームへの献身、勝利への執念。それらを大切にするからこそ、青柳は同学年のノーヒッター左腕にシンパシーすら感じていた。

「今永もずっとやっていますよね、ベンチまで全力疾走したりとか、投げる哲学者とか言われていましたけど。そういうところは僕も見ています」

リーグ戦再開となった17日。2人は甲子園の先発マウンドに上がった。4回、青柳は今永から安打を放つと直後、1番島田のライナーを、今永は倒れ込みながら捕球した。投げるだけが仕事じゃない。エースの立ち居振る舞いを、随所に垣間見た同学年対決だった。【阪神担当 中野椋】

今永昇太(2022年6月7日撮影)
今永昇太(2022年6月7日撮影)