中日小笠原慎之介投手(24)が10日巨人戦(東京ドーム)で自己最多タイの8勝目を手にした。4回までは巨人打線を相手にノーノーピッチングを披露。8回途中4安打2失点でチームを3連勝に導いた。

2年連続で8勝をクリアしたが、反省が口をついた。「(イニングの)途中で降りたのは2回連続なので。次はないと思ってしっかり調整したい」。4年ぶりの完投を逃したことにも「投げないといけない。そこも目標」と続けた。「覚悟」が言葉からあふれた。

7勝目を挙げた3日ヤクルト戦(神宮)でも8回途中でマウンドを降りたが、2安打を許しながらもヤクルト村上のアーチを封じた。6回2死走者なしで迎えた第3打席でもカウント3ボール1ストライクから真っ向勝負を挑んだ。119キロのカーブでストライクを奪うと、6球目にも124キロのカーブを連投。村上のバットに空を切らせた。「慎重になったら、カーブを投げられない。逆に。そのくらいの覚悟を持って投げました」

19、20年の2年間は、故障や手術で計11試合登板に終わった。21年1月には大野雄に合同自主トレへの参加を直訴。「(参加できなかったら)僕の野球人生が終わる」覚悟で臨んだ。リリーフ転向も検討されたが、そこから小笠原は先発として2年連続8勝。立浪監督も「安心して見ていられる」と、左腕の成長に太鼓判を押す。初の2桁10勝、2年連続規定投球回も視野に入れた。「覚悟」を知った7年目高卒左腕が、竜のエースの座をつかむ日も近い。【中日担当=伊東大介】