宮崎で行われている侍ジャパンの強化合宿で、印象的なシーンがあった。
投手陣が集まって誰かの投球を見守る「ブルペン鑑賞会」。始まりは第1クール2日目にブルペン入りしたダルビッシュ有投手(36=パドレス)。メジャーの最前線で活躍し続ける右腕の投球をひと目見ようと、山本由伸投手(24=オリックス)や佐々木朗希投手(21=ロッテ)らが捕手の後ろから、高橋宏斗投手(20=中日)のように横から見つめる選手もいた。
その流れは翌日も続いた。佐々木のブルペン投球に投手陣の姿があった。この時はダルビッシュが「みんなでプレッシャーかけにいこう」と同組で練習していた伊藤大海投手(25=日本ハム)らに呼びかけていたという。
投球を見ている選手たちの表情は真剣だ。メカニックや球質を目に焼き付ける。その場で意見交換。見た目のイメージだけでなく、本人にも質問。本質や向上へのヒントを探り、情報を共有する。そこには一体感も生まれる。
1月に米国でダルビッシュと合同自主トレを行った伊藤は「僕とダルさん以外にもピッチャーの方がいて、結構(他の投手の)ブルペンを見るんですよ。どういう取り組みをしているのか(見ている)」と驚いたそうだ。伊藤は、その取りくみをいち早く実行していた。「僕も、それはいいことだなと思った」と、日本ハムの春季キャンプでも他の投手のブルペン投球を見て意見交換をする姿があった。「ダルさんは、そういうのも浸透させようとしてくれていると思います」。
野手陣もメジャー組が合流すれば、また新たな発見も生まれるはずだ。WBCが終わった後には、各選手が今回の経験を各チームに持ち帰る。日本球界は、どう変わっていくのだろうか。【遊軍 木下大輔】




