WBCが盛り上がりを見せる中、プロ野球も開幕まで3週間を切った。今年は4年ぶりに声を出して応援できるようになり、マツダスタジアムにも「スクワット応援」や「宮島さん」という名物応援が復活する。広島新井貴浩監督(46)も「ファンの方も楽しみだと思いますし、私たちも楽しみに待っています。また、コロナ禍で入団した選手は、そういうマツダスタジアムでのすごい応援というものを経験したことがないので、楽しみにしてくれているんじゃないですか」と話していた。

大観衆で埋まるマツダスタジアムの全景(2017年9月16日)
大観衆で埋まるマツダスタジアムの全景(2017年9月16日)
広島新井監督(23年3月4日撮影)
広島新井監督(23年3月4日撮影)

待望の新井監督就任で沸く広島だが、主催試合のチケット販売は意外にも出足が鈍いようだ。球団職員が「昨年の今の時期と比べても低い。何か策を考えないといけないかもしれません」と危機感を口にするほど。コロナ前には考えられなかった状況と言える。

コロナ禍によって観戦スタイルが変わったこともあるかもしれない。加えて、今季の公式戦日程も影響しているという。今年は本拠地6連戦が目立つ。移動による負担を考えると現場にはプラスのようにも考えられるが、営業サイドからすると大きな痛手のようだ。ビジターとホームを挟んだ3連戦と比べ、火曜日から日曜日までの6連戦となれば来場者が分散されるという。実際に6連戦となる期間のチケット情報を見ると、週末のカードに比べ、週頭のカードはまだ席が残っている。コロナ前の感覚で「どうせ取れないだろう」と思っていたファンにとっては朗報かもしれない。

「マツダスタジアムを真っ赤に染めてほしいです。そして、選手に力を下さい。私たちは皆さんを喜ばせ、皆さんの気持ちを真っ赤に燃えさせるように頑張っていきたいと思います」

就任会見での新井監督の言葉だ。チームが強くなればファンが球場に足を運ぶようになるだろう。また、チームが強くなる過程を見られるのはファンの特権でもある。歓声が戻る今季、空席が目立つマツダスタジアムは見たくない。【広島担当 前原淳】

盛り上がる広島ファン(2015年4月25日)
盛り上がる広島ファン(2015年4月25日)