選手を直接攻撃して何になるのだろうか。阪神青柳晃洋投手(29)は21日の中日戦(バンテリンドーム)で4失点KOされた夜、自身のインスタグラムのストーリーで誹謗(ひぼう)中傷の被害を受けていることを明かした。「ファンだからと言って何でも選手に言っていいわけではないです。」(原文まま)と、ファンに訴えかけていた。

今季最短2回2/3、4失点でKOされた。2試合続けて5回持たず3試合連続で勝ち星から遠ざかっている。「自分の不甲斐ない投球は自分が1番わかってます。。」(原文まま)と、正直な気持ちもつづった。そして、あまりにも度が過ぎるメッセージを送った人物に対し、訴えることも辞さないということも伝えた。丁寧な言葉の中に、やるせない怒りも感じ取れた。

3日後の24日、甲子園での投手練習後に声をかけると、「別に。なんとも思っていないですよ」と、いつもの優しい表情に戻っていた。「注意喚起というか、しつこい人がいたので。最近、球界でも問題になっているじゃないですか。球界全体で。球団も法的措置を取りますと発表していますし」と、阪神のエースが球界を代表して注意喚起、問題提起していた。

今のプロ野球選手は本当に大変だ。1つのエラーやチャンスでの凡退、打たれた投手などに対して、ツイッターには、その直後から数え切れないほど大量の誹謗中傷コメントが並ぶことがある。つぶやくだけでなく、今回のように選手のSNSに直接攻撃をする人もいる。

SNSでも誹謗中傷はよくないと訴えているファンの姿もよく見る。愛するチーム、選手ゆえについ…という気持ちは分からなくもないが、匿名でも発言元は特定され、必ずといっていいほどバレるそうだ。青柳は「(インスタは)続けますよ。消したりしないです。ファンとのコミュニケーションはいると思う。(誹謗中傷するのは)ごく少数なので」と、これからも支えてくれる多くのファンのために自身のインスタグラムを続けるという。青柳や選手、球団だけの問題ではない。記事のコメントの一部を抜き取られ、揚げ足を取られるようなこともある。記者として、今回のような誹謗中傷に対して考えていかなければならないと改めて思った。【阪神担当 石橋隆雄】