<ソフトバンク8-1ロッテ>◇4日◇ペイペイドーム

完勝ゲームだからこそ、いろんなことを試すことができる。ソフトバンクには収穫の多い試合となった。

必勝の継投を、2人の新人投手が見事につないだ。7回にマウンドに上がったのはドラフト5位沢柳。先頭中村奨をカットボールで空振り三振に切った。「緊張したけど、最初のアウトを三振で取れたのがよかった」。続く友杉、愛斗を内野ゴロに仕留め、8球で3者凡退。9回はドラフト2位岩井が締めた。代打大下を三ゴロ、上田を中飛に打ち取り、最後は中村奨を空振り三振。「いつでも準備していた。前の投手がいい投球をしていたのでプレッシャーもあったが、3人で終われてよかった」。先発大津とともにお立ち台に呼ばれた2人は、プロ初登板を笑顔で振り返った。

チームの完勝に、王球団会長も何度もガッツポーズをつくって一塁ベンチ裏から歩いてきた。「(新人の2人は)いい投球だったね。やっぱり、大卒とかノンプロを経験しているから力があるよね。試合が接戦だったら(起用は)そうはいかないけどね。今日はそういう意味でもすべてにおいてよかったよね」と2人の投球を褒めた。

一方、うれしさと悔しさが入り交じったのは川村だ。6回、柳田の代走でプロ初出場も、8回の初打席で空振り三振。開幕直前に育成から支配下登録。気負いもあったのか。「神は細部に宿る、と監督は言われています。少しでもきちんとしておかないと」。宮崎キャンプの日課は片付け。飲み残しのペットボトルを拾いゴミ箱に運んでいた。

ホロ苦いデビューも成長の糧。雪辱の快打を期待したい。