今年のドラフトを「田村の目」で占う。甲子園取材を重ねるなどアマチュア選手の素質を探ってきた田村藤夫氏(63)に、2回にわたって高校生と、大学・社会人の指名候補選手について現状の評価を聞いた。
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まず、高校生を見渡した時、1位指名の可能性も感じるのは左腕・前田悠伍投手(大阪桐蔭)になるだろう。今夏は甲子園出場を逃しているが、U18W杯での活躍を見ても、前田に対しての評価は揺るぎないものがある。
ピッチングの内容がいい。真っすぐの球威もあり、変化球との緩急もつけている。変化球でカウント球に使える球種は複数あり、先発ピッチャーとして求められるものはほぼそろっている。
むろん、体の線は細く、これから走り込み、ウエートトレーニングで体を大きく、強くしていけば、球速はもっと出ると感じる。そうした将来性も考えた時、1位指名は十分にあり得る。投手陣に余裕がある阪神、オリックスなどはそうした点からも指名の可能性を感じる。
東松快征投手(享栄)は非常に魅力ある左腕だ。ストライクゾーンの中で勝負できる球威があり、真っすぐと変化球で腕の振りに違いがないところが光る。打者に向かっていくタイプに映る。
U18W杯で二刀流で活躍した武田陸玖投手(山形中央)、今夏大阪大会で大阪桐蔭を下した左腕・福田幸之介投手(履正社)も注目の存在と言える。
捕手は堀柊那(報徳学園)、鈴木叶(常葉大菊川)がいい。両選手ともに強肩でキャッチングもいい。堀は捕球してから送球までの動作が機敏で、コントロールもいい。
内野手では横山聖哉(上田西)のスケールの大きなバッティングが目を引いた。また、ショートでの守備範囲、スローイングも安定しており、打てるショートとして育てたい逸材。同様に山田脩也(仙台育英)も抜けた存在だ。
最後に、米国の大学進学を決めた佐々木麟太郎(花巻東)には、大きな可能性がある。バッティングはプロ球界では非常に高い評価を受けている。今夏甲子園ではチームの勝利にフォーカスした確実なバッティングが目についたが、長打力は申し分ない。素材の良さは誰しもが認めるところだ。米国で自分の長所を伸ばし、スケールの大きな打者に成長してもらいたい。それでも、メジャーリーグ、NPBを問わず、プロに進むのなら一塁以外も守れるようになること。今の年齢で一塁固定ではもったいない。
今秋のドラフト対象ではないが、近い将来を考えた時、そこだけは忘れずにトレーニングに励んでほしい。(日刊スポーツ評論家)




