夏の甲子園を目指す熱い戦いが23日、全国のトップを切って北海道と沖縄で開幕した。今年も先日(6月10日)、高校野球ファンのNさんから恒例の1通のメールが届いた。

 Nさんから「優勝校予想メール」が届くのは今年で6年連続。Nさんは毎年、地方大会開幕前に(代表が決まってからではない)夏の甲子園優勝チームを予想する。過去5年で外したのは2013年の前橋育英の1度だけ。ここ4年間はいずれも的中させている。もちろん昨夏の花咲徳栄(埼玉)も見事に当てた。

 さて、今年の予想はどうか。例年10校程度を挙げ、この中から優勝チームが出れば的中となる。今年は6校に大穴1校を加えた7校を挙げてきた。

 横綱=大阪桐蔭、創成館(長崎)

 大関=日大三(西東京)東邦(西愛知)

 前頭=日本航空石川、智弁和歌山

 大穴=智弁学園(奈良)

 Nさんの見解は以下の通り。

 毎年のことだが、早い時期でのつぶし合いがなければ、データ的にはこの6校のどこかが優勝する。誰が見ても大阪桐蔭が100回大会の優勝候補の筆頭。打ち合いになれば、大阪桐蔭に分がある。しかし、センバツの三重戦、智弁和歌山戦を見ても、上記の他校が投手戦に持ち込めば、優勝のチャンスは十分にある。

 創成館の売りは、投手陣の層の厚さ。日大三は投打とも全国レベルで、“関東勢4連覇”へ向けて万全の体制。東邦はセンバツでは不発に終わった強力打線と複数投手でリベンジを狙う。日本航空石川の左腕杉本壮志は、センバツの明徳義塾戦、東海大相模戦での投球を見ても大阪桐蔭が最も苦手とするタイプ。そして、打倒大阪桐蔭に燃える智弁和歌山。果たして大阪桐蔭は、並みいる強豪校を倒して春夏連覇を達成するのか。目が離せない夏になる。

 以上がNさんの見解である。

 予想の根拠は「企業秘密」とけっして明かさない。ただ昨年、1つだけヒントをくれた。

 「桜美林が優勝した1976年以降、優勝校にはあるパターンが確立されています。例外は佐賀商(1994年)佐賀北(2007年)前橋育英(2013年)の3回だけ」

 さて私の予想はどうか。昨年は編集局の高校野球担当に借り出され埼玉を担当。「埼玉から優勝チームが出てほしい」と書いたら、花咲徳栄が優勝してしまった。これが「的中」なのかどうか分からないが、自分の担当チームが優勝するのは悪い気分ではない。ただ原稿に追われる日々となり、終盤はネタ探しに四苦八苦。痛しかゆしと言ったところか。

 今年は編集局の担当はしないのだが、やはり埼玉のことは気になる。今年は100回大会で南北に分かれ2校が出場する。南は浦和学院、山村学園、市川越、埼玉栄あたりの前評判が高い。中でも浦和学院はセンバツ直前の練習試合で大阪桐蔭に連勝。エース渡辺勇太朗(3年)は190センチの長身から150キロ近いストレートを投げ込む。昨夏の決勝でも花咲徳栄打線を途中まで抑えた実績もある。ある学校関係者からは「浦和学院史上、最高のピッチャー」という声も聞いた。渡辺の他にも左腕佐野、右腕近野、河北がいて投手陣は万全。打線も主砲・蛭間を中心に着実に力を付けている。

 一方の北は、昨夏の優勝校・花咲徳栄が大本命だろう。昨夏の甲子園で2本塁打した4番野村佑希内野手(3年)が健在。強力打線は昨夏以上かもしれない。課題は投手陣だが、ここは名将・岩井隆監督が本番までにきっちりと整備するはずだ。

 夢よ、再び-。埼玉県勢の夏の甲子園連覇を期待したい。