今季は開幕カードから新人の活躍が目立った。3月27日のヤクルト-阪神戦で佐藤輝(阪神)と元山(ヤクルト)が本塁打を打ち合い、同じ日に栗林(広島)がセーブ、28日には早川(楽天)が白星を挙げた。プロ野球史上初めて開幕カードで新人が本塁打、勝利、セーブを記録した。

続く2カード目には30日にブランドン(西武)31日に牧(DeNA)が1号、4月1日に佐藤輝が2号を放った。昨年、新人が打った本塁打は6人で合計11本だったが、今季は開幕2カードですでに5本。ドラフト制後、開幕2カード終了時に新人の本塁打が5本出たのは初めてとなった。

新人は本塁打と勝利のどちらが多いか。ドラフト制後の本塁打数と勝利数を年度別に調べてみた。勝利数の最多は、菅野(巨人)や小川(ヤクルト)が入団した13年の99勝。本塁打は田淵(阪神)が22本、有藤(ロッテ)が21本打った69年の96本が最も多かった。最多は同じような数字だが、勝利より本塁打の方が多いシーズンは過去に10度しかない。96年は同数で、残りの44度は勝利の方が多かった。昨年までの通算は2408勝と1290本。2桁勝利と2桁本塁打の人数を比較しても、2桁勝利が58人に対し、2桁本塁打は28人だった。

プロ野球全体を見ると、2桁本塁打は19年が57人、試合数が減った20年でも43人いたが、2桁勝利は19年が13人、20年が11人。打高投低になってから、プロ野球全体では2桁本塁打より2桁勝利が評価されている。ただし、新人の場合は逆。1勝よりも1本の価値が高く、新人の2桁本塁打はもっと称賛されるべきだ。

本塁打の方が多いシーズンは24本塁打と22勝の10年が最後。今季は11年ぶりに新人の本塁打数が勝利数を上回れるだろうか。【池田脩平】

新人の本塁打数と勝利数
新人の本塁打数と勝利数