阪神が4月22日から5月19日にかけて21試合連続3失点以下をマークした。連続3失点以下の記録は42年南海の31試合が最長で、阪神の21試合は43年名古屋の19試合を抜いて歴代2位となった。42年南海は3失点以下を続けた期間の成績が21勝10敗、勝率6割7分7厘。43年名古屋は11勝5敗3分け、勝率6割8分8厘だったが、阪神は12勝9敗、勝率5割7分1厘。この間は貯金3で、南海や名古屋のように「2勝1敗ペース」を上回れなかった。せっかく投手陣が2リーグ制後の最長記録をつくったのに、チームは最下位を脱出できなかった。

【イラスト】阪神が3失点以下で敗れた試合
【イラスト】阪神が3失点以下で敗れた試合

今季の阪神は投手陣の頑張りに打線が応えられない。0-1で敗れたのが両リーグ最多の6試合あり、他に1-2が3試合、0-3が4試合など、3失点以下で18敗もしている。過去5年の3失点以下での敗戦数を調べると、17年から14試合→18年21試合→19年18試合→20年11試合→21年12試合で、昨年はヤクルトと並び両リーグ最少だった。9回打ち切りの昨年と単純には比較できないが、今季はすでに昨年の12試合を上回っている。

【イラスト】今季と昨季の3失点以下での敗戦数
【イラスト】今季と昨季の3失点以下での敗戦数

現在、53試合消化して18試合だから、阪神はこのペースならば最終的に3失点以下の敗戦が48試合になってしまう。3失点以下の敗戦数は56年大映の38試合が最多で、セ・リーグでは12年横浜の37試合。阪神は30試合以上が95年の30試合と12年の36試合しかなく、このままならば球団最多どころか、プロ野球最多記録をつくってしまう可能性がある。

【イラスト】3失点以下の敗戦数が占める割合
【イラスト】3失点以下の敗戦数が占める割合

「投高打低」の今季は、阪神以外にも3失点以下の敗戦数が増えている。ロッテと西武が11試合、中日が10試合と、12球団で合計108試合になる。両リーグ合わせて304試合消化して108試合だから全体の35・5%を占める。50、60年代には3失点以下で敗戦した試合が30%を超えるシーズンが見られたが、80年以降で30%以上は統一球の影響で投高打低となった11、12年しかない。「3失点以下での敗戦数=3得点以下での勝利数」。激増するロースコアの試合をいかにものにできるかが、今後のペナントのカギとなりそうだ。

【記録室】