サッカーW杯(ワールドカップ)、日本代表の快進撃はうれしい限りですね。正直、普段はサッカーをそれほど見ませんが代表戦となれば話は別。にわかファンとなって応援しているのは多くの方々と同じです。

 しかし、ほんの少しだけ気に入らないことがあります。あくまで個人の感想ですが、と先に書いておいて、30そこそこで「おっさん」はないだろう、と思ってしまって、なんだか、しっくりきません。

 若さ、スタミナ、元気さが基本的に要求され、選手寿命の短さという点においてはメジャー・スポーツの中で代表的なのがサッカーなのは知っています。20代半ばがピーク、10代でもうまい選手はいくらでもいるでしょう。

 さらに言えば、我々、メディアが見出し、キャッチコピーをつけるときに「おっさん」というワードを使っているのであって、実際に「おっさん」とは誰も思っていないかもしれません。

 でも、あえて言いたい。高齢化が進むこの日本にあって31、32で「おっさん」はないよなあ~。普段、プロ野球を取材している立場としては、つい、そんなことを感じてしまいます。

 プロ野球「マイナビオールスターゲーム2018」のファン投票最終結果が25日に発表されました。そこでセ・リーグの先発投手部門で選ばれたのが中日松坂大輔投手でした。

 これは、なかなか、すてきなことだと思っています。今季、中日-阪神戦で松坂の投球を実際に見ました。確かに全盛期の剛球は投げられないし、持ち前の躍動感も変化しています。

 それでも「それがどうした。これがオレだ」という静かな意地のようなものが伝わってくるのです。過去の栄光も、あるいは挫折も関係ない。いま、オレはマウンドにいる。そして1球1球を投げ込んでいるんだ。そんなムードを感じています。

 松坂の球宴出場についてはコンディションの問題もあり、どうなるか分かりません。それでも、野球ファンにアピールしていることは間違いない。それを証明した出来事でした。

 このニュースに触れて、春に聞いたあの話を思い出してしまいました。沖縄・宜野座キャンプ中、松坂と同年齢の阪神藤川球児投手から聞いた「秘話」です。

 「松坂大輔がホールインワンするところを2度、見たことがあります。ボクは。本当ですよ。持ってる男は違うんですって」

 2月にこのコラムでも書きましたが球児は松坂の復活を信じて疑っていませんでした。こちらは正直、ソフトバンクでのことを思って「大丈夫かな」と考えていたので「ふ~ん」とうなずいていたのですが。

 「持ってる男は違う」。なるほど。やはり見る人が見れば違うんだな、とちょっと反省しました。

 その球児も、なかなか元気です。疲れの見える阪神中継ぎ陣にあって2軍落ちしていたドリスに変わって最後に投げるなど、まだまだやれるというところを見せています。25日時点で単独最下位になった阪神、上位浮上に向けて尽力してほしいところです。

 「松坂世代」の2人は、ともに今年38歳。サッカーなら大ベテランでしょう。でも、こちらは野球。まだ、いける。いけるところまでいってほしい。

 間違っても「おっさん」なんで呼びません。自分のことを「おっさん」なんて言うのは、せいぜい50を過ぎてからにしてほしいぜ。そんなことを思いながらリーグ戦が再開されたシーズンを見ています。