岡山に今秋ドラフト候補の高校通算41本塁打を誇る右のスラッガーがいる。玉野光南の大塚翔馬外野手(3年)だ。この夏の岡山県の独自大会では準々決勝で岡山理大付に敗退。4試合を戦い、本塁打は出なかったが、初戦の興陽戦では広い倉敷マスカットスタジアムの左翼フェンス直撃の適時二塁打を放つなど「調子よく右にも左にも長打が打てました」と、本人も納得の内容でチームに貢献した。

「メジャーリーグのテレビ中継を見て野球を始めようと思った」と、豪快なスイングに憧れていた。高校に入り、長打力を磨いた。「手本にしているのは巨人の岡本和真さんの高校(智弁学園)時代の高く左足を上げて打つ打撃です」と、巨人の4番が高校通算73本塁打を放った時代の映像が教科書だ。

「常にフルスイングできるように。41本塁打のうち10本くらいは2ストライク後に打ちました」と、追い込まれても、フルスイングを続ける。新型コロナウイルス感染拡大のため活動停止の時期には、自分の打撃フォームを撮影して研究。田野昌平監督(48)は「低めの変化球で空振りしなくなった」と確実性がアップしたことを評価した。

昨夏の大阪桐蔭との招待試合では左腕の藤江星河投手(3年)との当時2年生同士の対決で2打席連続で左翼へ本塁打も放っている。高卒でのプロ入りか、大学を経てのプロ入りか進路を悩んでいるという。いずれにしても、右の長距離砲として、今後が楽しみな存在だ。【石橋隆雄】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「野球手帳」)

◆大塚翔馬(おおつか・しょうま)2002年(平14)4月23日生まれ。岡山県玉野市出身。築港小2年から築港少年団で軟式野球を始める。宇野中では硬式の岡山ボーイズでプレー。玉野光南では1年秋からベンチ入り。50メートル6秒2。遠投110メートル。183センチ、90キロ。右投げ右打ち。