元日本ハム、巨人の乾真大氏(34)が、新しいスタートを切った。母校の東洋大のコーチに就任し、9日から練習が始まった。「まずは、選手の成長を見守る、そういう指導者になりたいと思っています」と笑顔で話した。

自身のたどってきた経歴が、指導者としての礎になる。東洋大姫路で3年夏に甲子園8強。東洋大では、2年春に東都大学リーグ最優秀投手とベストナインを獲得した。10年ドラフト3位で日本ハムに入団。16年4月にトレードで巨人に移籍し、17年に自由契約。以降は、独立リーグで現役を続行。BC・富山、BC・神奈川でコーチ兼任でプレーし、昨年限りで現役を引退した。

練習が始まる前日の8日は、昨年9月に74歳で亡くなった恩師、高橋昭雄元監督をしのぶ会に参加した。高橋元監督の姿は、理想の指導者像だと言う。大学生時代、投球練習はいつも見てくれていた。細かな指示は出さずに、まずは見てくれる。その安心感があった。「高橋監督のような指導者になりたい、という思いはあります」と明かした。

乾氏も、昨年12月から東洋大のグラウンドに通い始めていた。実際の指導は今年からだったが、その理由は選手を見るため。「だんだんとですが、選手のことは分かってきました」と言う。

いよいよ始まるコーチとしての道。今年は、今秋ドラフト1位候補の細野晴希投手(3年=東亜学園)を擁し、東都2部ながら注目される存在。乾コーチの“目”がいきる時だ。【保坂恭子】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「野球手帳」)

約300人のOBが出席した東洋大・高橋元監督をしのぶ会(撮影・保坂恭子)
約300人のOBが出席した東洋大・高橋元監督をしのぶ会(撮影・保坂恭子)