DeNA対阪神 DeNAに勝利して喜ぶ阪神ナイン(撮影・加藤諒)
DeNA対阪神 DeNAに勝利して喜ぶ阪神ナイン(撮影・加藤諒)

参院選挙を前に中高年も若い人も年金問題にはかなり興味のあるところだ。なにしろ、おカネは大事。世の中、投資などの情報も盛んだが、経済評論家の中には「投資より生活を見直して倹約した方が有意義」という意見もある。なるほどと思う。銀行預金の利子なんてほとんどタダの時代、1万円ためるのは大変だが不要な出費を抑えれば節約できるかも、と感じる。

庶民の懐具合同様、借金生活の阪神も苦しい。早く貯金生活に入りたいが、簡単にはいかない。投手は結構、頑張っているが打線は湿りっぱなしで困ったものだ。おカネが欲しいな。いや違う、得点が欲しいな。そんな日々だ。そんなときだからこそ、ちょっと考えてしまう場面があった。

同点で迎えた2回裏だ。DeNAの攻撃は2死二塁で8番大和に回った。大和の打球は久々にスタメン出場していた二塁手・上本博紀のグラブをはじく適時右前打に。これで1-2だ。

大和は言うまでもない元猛虎戦士だ。阪神時代は守備の名手として知られたがDeNAにFA移籍した昨季から遊撃のレギュラーとして定着。それで打撃が飛躍的に向上したとは言わないが今は絶好調だ。

交流戦2試合でサヨナラ適時打を放つと交流戦開けの広島3連戦では12打数7安打と当たりまくっている。前日の阪神戦でも8回に適時打を放っている。

その大和の次打者、9番は先発投手の浜口遥大だ。それでなくとも現在、得点力不足に悩む阪神打線。普段以上に1点が大事になってくる。ここは歩かせて9番に回すか。そう見たが大和で勝負。その結果が一時は勝ち越される適時打だ。

ここはどうだったのか。聞いてみたい。ヘッドコーチ清水雅治の答えはこういう感じだ。「あそこはガルシアが抑えてくれると信じての勝負でしょう。回も浅いしね。(大和の)調子うんぬんもあるけれど」。

敗戦後の大和も同様だった。「普通に勝負してくると思ってましたよ。回も浅かったし」。久しぶりに会ってしょうもないこと聞くなあという感じで答えた。

終盤に奮起した阪神打線はなんとか逆転勝ち。ギリギリで踏ん張った。それにしても1点差決着。「だから」と言えば結果論になるのだが、得点も重要だけど守りも同じように大事だ。得点できないときは失点はなるべく抑えていかないと。そんな思いを強くした一戦だった。(敬称略)

DeNA対阪神 2回裏DeNA2死二塁、大和は右前に勝ち越しの適時打を放つ(撮影・加藤諒)
DeNA対阪神 2回裏DeNA2死二塁、大和は右前に勝ち越しの適時打を放つ(撮影・加藤諒)