なんと表現すればいいのか、こと巨人戦に関して言えば、やることなすこと、みんな阪神にいい感じになっているようだ。デュプランティエが3回で降りても何の問題もなく「チームの心臓」であるブルペン陣で1点差勝利をモノにした。
これで巨人戦は13勝4敗となり、早々と今季の勝ち越しを決めた。球宴前に勝ち越しを決めるのは史上初だそう。85年の吉田阪神も03年星野阪神も23年岡田阪神もできなかったことを楽々とやってしまったのである。恐るべし、だ。
ここで発見するのは、もう1つの“勝ち越し”である。小幡竜平が2回に放った先制1号で阪神のチーム本塁打数字は52本に。これは、この日まで「51」で並んでいた巨人を抜き、リーグ1位に躍り出た形だ。
試合数が少なかった4月8日の時点で阪神の本塁打数は巨人より多かったが、9日のDeNA戦で巨人が1試合4本塁打をマークしてリーグ・トップに。それからはずっと引き離されていたが、ここに来て、わずか1本とはいえ、抜く結果になったのである。
そもそもセ・リーグ打者の本塁打ランキングは佐藤輝明が25本でトップ、2位は森下翔太の16本。チーム本塁打数もトップになりそうなものだが、そこは広い甲子園を本拠にする阪神。しかし、ここに来て前日19日に坂本誠志郎が打ち、そして、この日は小幡だ。他には近本光司が打っているので、これで阪神ナインは5選手が東京ドームで本塁打を記録した形だ。
「52分の25」とほとんど半分の本塁打を記録している佐藤輝に、この事実を聞いてみた。佐藤輝は「ふうん」という表情をしながら「もっと打っていけばいいんじゃないですか。気持ちいい? そうですね」と笑顔を見せたのである。
先発、ブルペンと充実し、防御率でもリーグ・トップを走る投手陣に加え、打率もトップ。総得点数もリーグ・トップで「300」を超えた。盗塁数もトップだし、もはや、止まるところを知らないチーム力だ。これで優勝しなければウソやろ…という状況になっているのだ。
こわいのは主力の故障と、それに慢心か。しかし、きょう21日に45歳の誕生日を迎える指揮官・藤川球児にそれはない。勝負事に「絶対」はないが、自身の誕生日に巨人3連勝を決め、気分よく、しばしの球宴ブレークに入ることは間違いない情勢である。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




