第97回全国高校野球選手権秋田大会(7月11日開幕)の組み合わせ抽選会が26日、秋田市内で行われた。連合1チームを含む出場50校、計49チームの組み合わせが決まった。春の県大会を27年ぶりに制した第1シード秋田南は、エース中島和俊、4番貴俊(ともに3年)の双子パワーで、過去10年間「春1位に夏優勝なし」のジンクスを打ち破る。

 学校創立54年目の秋田南が悲願の甲子園出場を狙う。抽選会で、すでに決まっていた1番札を真っ先に引いた野上朋輝主将(3年)は、トーナメント表に秋田南のプレートを誇らしげに掲げた。同主将は「(優勝した)春は春なのでプレッシャーはありません。勝負強く戦いたい」と気を引き締めた。

 中島ツインズが投打でチームを鼓舞する。2人の父修さんは同校OBで投手だった。親子2代の右腕エース和俊は昨夏3試合すべてに登板。経験豊富だ。今春の県大会も中継ぎで全4試合に救援。今季初先発した東北大会初戦は花巻東(岩手)に4-5でサヨナラ負けしたが、5安打11奪三振完投で最速145キロもマークした。「直球を意識させられるようになって変化球も効果的に使える」と投球の幅を広げた。

 修さんの指導で左打ちになった貴俊は、昨秋から4番左翼手でベンチ入り。今春の地区大会初戦では右翼越え本塁打を放った。県大会直前に風邪を悪化させ、東北大会もベンチから外れたが、練習復帰した現在は「チームに貢献できるバッティングをしたい」と復調をアピールする。

 選手たちは練習用Tシャツの背に「一灯照隅(いっとうしょうぐう)」の文字を掲げる。昨春から指揮する同校OB石川聡監督(42)は「小さな光だって全員で大きな光になる」と県内屈指の頭脳集団を指導している。05年以降、春優勝校は夏の甲子園出場を逃している。和俊は「第1シードは忘れて守備でリズムを作れる投球をしたい。打線がいいので2点以内に抑えたい」と一気に夏頂点を目指す。【佐々木雄高】

 ◆中島和俊(なかじま・かずとし)貴俊(たかとし)1997年(平9)11月20日、秋田市生まれ。ともに秋田大付小5年から野球を始める。秋田南で、投手の和俊は1年秋からベンチ入り、2年秋からエース。外野手の貴俊は2年秋からベンチ入りして4番。家族は祖母、両親、姉。和俊は右投げ右打ち。175センチ、80キロ。貴俊は右投げ左打ち。174センチ、77キロ。ともに血液型O。