甲子園初出場を狙う矢板中央(栃木)の江尻洋輔外野手(3年)が、「サニブラウンに勝った男」に挑戦状をたたきつけた。22日、宇都宮市内で栃木大会の抽選会が行われ、矢板中央は7月15日に足利工大付と鹿沼の勝者と対戦することになった。同校の1番打者、江尻は50メートル5秒8の俊足で、昨秋県大会2回戦の高根沢戦では、オコエばりに左前打を二塁打にするなど注目されている。

 ライバル心で足を磨いた。栃木の俊足選手と言えば、佐野日大の五十幡(いそばた)亮汰内野手(3年)が有名だ。中学時代、陸上短距離走のサニブラウン・ハキーム選手(17)に勝って100メートル、200メートルで日本一に輝いている。江尻は「同レベルの自信がある」と対抗心を隠さない。五十幡が打席から三塁まで10秒8で走ると聞くと、本来は右打者だが、五十幡と同じ左打席から挑戦して「10秒5」をたたき出した。

 「五十幡は有名だけど、自分も足が速いということを周りに見せつけたい。足を使ってチームを盛り上げていきたい」。両校が順調に勝ち進めば、直接対決は3回戦で実現する。直接対決は望むところだが、あくまで目標は甲子園だ。「上を見ず、内容も気にせず、何でもいいから勝ちたい。勝ちにこだわりたい」。夢の甲子園まで、特急「江尻号」は突っ走る。【秋吉裕介】