昨夏の高校野球・秋田大会で無安打無得点試合を達成した角館・小木田敦也投手(3年)が、社会人野球のTDK(秋田)に内定していたことが10日、分かった。プロ志望届を出しておらず、進路に注目が集まっていた。

 角館産の剛腕が、地元でさらなる飛躍を遂げる。右上手から投げ込む最速147キロの直球が持ち味だ。決め球のカットボールやスライダー、スプリットを自在に操り、80キロ台の超スローカーブで緩急をつける。フィールディングにもたけており、高1の夏に出場した甲子園では「6番三塁」で先発出場。172センチ、73キロと小柄ながら抜群の身体能力を誇り、投手としての完成度は非常に高い。

 昨夏の能代松陽との準々決勝では、秋田大会10年ぶりの無安打無得点試合を達成し「東北高校NO・1投手」の地位を確立した。5戦連続完投となった大曲工との決勝戦は5回までわずか1失点に抑えたが、6回に打球が右足を直撃。軸足で踏ん張ることができず、制球を乱した8回に4安打を浴び、まさかの5失点。逆転負けを喫し、自身2度目の甲子園を逃した。決勝こそ不運に泣いたが、準決勝までの5試合では42回を投げ被安打21、38奪三振4失点と圧巻の投球を見せており、評価は揺るがなかった。

 決勝戦後、小木田は卒業後の進路について「社会人を経て、力をつけてからプロに行きたい」と宣言していた。TDKは06年に東北勢初となる都市対抗野球を制覇した名門。13年を最後に3年連続で予選敗退に終わっている。小木田が4年ぶりの出場切符獲得に導き、3年後のプロ入りを実現させる。

 ◆小木田敦也(こぎた・あつや)1998年(平10)10月10日、秋田・仙北市生まれ。角館小3年から野球を始め、角館中では軟式野球部に所属。角館高では1年夏から内野手でベンチ入りし、同夏の甲子園からレギュラー。172センチ、73キロ。右投げ右打ち。血液型AB。