清宮の春、到来だ。第89回選抜高校野球(19日開幕、甲子園)に出場する早実(東京)清宮幸太郎内野手(2年)が対外試合解禁となった8日、高校通算79号の場外弾を放った。東京・東伏見で早大Bチーム(2軍)と練習試合を行い、9回に右翼場外へ推定130メートルのソロ本塁打を放った。3打数1安打2打点で“開幕”し、今秋ドラフトの目玉に8球団のスカウトが集結した。清宮は今日9日にキャプテントークのため大阪入り。10日に抽選会が行われる。

 豪快な1発が、球春到来を告げる合図だった。早実・清宮が、今季初の対外試合となる早大との練習試合で場外弾を放った。9回無死、早大・小宮山将(3年=早実)が投じた真ん中高めの直球を強振。右翼席後方の約15メートルの防球ネットを越え、隣接する準硬式野球部のグラウンドに落ちた。高校通算79号となる推定飛距離130メートルの特大弾だった。

 学校の方針で清宮の取材は行われなかった。ただ、ネット裏に集まった8球団のスカウト陣はそろって感嘆の声を上げた。

 日本ハム岩舘スカウト 2ボールからのストライクを1発で仕留めるのはさすが。飛距離もすごいね。

 オリックス中川スカウトグループ長 ファウルにせず、1発で仕留めるのは持っている。この状況で打てるのがすごいね。

 ソフトバンク山本スカウト 打撃はずばぬけているね。いいものが見られて良かった。

 チームは17失点で大敗したが、清宮は冬の成長を証明した。フリー打撃では、元レッドソックスのオルティスも行った逆方向への打撃を取り入れ、体の開きを修正。6回の中犠飛は成果を示すように左投手のスライダーを引きつけ、紙一重の飛球を打ち上げた。

 いよいよ、節目の80号に王手をかけた。清宮にとっては、中学1年時に父克幸氏(ラグビーヤマハ発動機監督)から示された数字でもある。清宮イヤーを予感させる華々しいスタートを飾った。【久保賢吾】