札幌地区で、江別が9安打を放ち8-4で札幌厚別を退け、4年連続の初戦突破を果たした。初回に5連打で3点を奪い、その後も効率良くコツコツと得点を重ねた。遠征は公共機関を利用するなど費用を抑え、回数を増やし、打力を磨いてきた成果を発揮した。

 江別がコツコツと得点を重ねて初戦突破した。初回、先頭の西海行人主将(3年)から5連続単打でまずは3得点。その後、スクイズや相手のミスを突く走塁で小刻みに加点した。9安打で8得点と効率の良い攻撃を見せた。西海主将は「先制点を取れたのが大きかった。5連打は出来過ぎですね」と笑顔だった。

 強化のための遠征でもコツコツと節約した。三浦良介監督(46)は力のある3年生に期待して現チームは過去最多となる4回の遠征を行った。公立校のため潤沢な予算はない。費用を抑えるため宿泊は自治会館や研修センターを利用した。食事も自分たちで米から炊いて準備した。釧路市、函館市、遠軽町、帯広市といずれも江別市から遠距離の合宿を可能にした。

 今年1月は1泊2日の弾丸で遠軽町に出向いた。約20万円かかる貸し切りバスではなく、公共の高速バスを利用して移動費はほぼ半分にした。遠軽の設備を借り、オフはできないマシン打撃で1800球を打ち込んだ。打撃が持ち味の昨秋全道4強チームと交流し、西海は「素振りの鋭さに驚いたし、さまざまな練習方法も教えてもらった」と吸収。フィードバックして夏につなげた。

 26日の練習で3年生の橘郁賢が飛球を捕り損ねて顔面に打球が直撃した。この日は病院のため球場に来られなかった。ナインは一層気合が入り試合に臨み、また一緒に戦う約束を果たした。過去3年、初戦突破したがいずれも2回戦で敗退している。「地区突破という目標を達成したい」と西海。小さなことからコツコツと積み上げ、9年ぶりの南大会切符を目指す。【西塚祐司】